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No.0196
すなこだのかっぱ
砂子多の河童
高ヒット
放送回:0121-A  放送日:1978年02月11日(昭和53年02月11日)
演出:藤本四郎  文芸:沖島勲  美術:内田好之  作画:森田浩光
写真あり / 山口県 ) 24303hit
あらすじ

むかしむかし、日本中のあちこちに河童が住んでおった頃、山口の勝山の沼にもやっぱり河童が住んでおった。勝山の河童は、畑は荒すわ、家畜に悪戯はするわ、村人に相撲を挑んでは持ち物を巻き上げるわ、ろくな事をしておらんかった。

そんなある日のこと、勝山の勝谷に住む五作爺さんが、牛を洗うために砂子多川を訪れた。するとあの河童が牛の尻尾を杭に縛りつけ悪戯をしたそうな。爺さんは驚いて暴れる牛をなんとかなだめ、その後、岸に上がって酒を飲んで一休みした。

それを見ていた河童は酒に興味津津。爺さんの目を盗んで瓢箪の中の酒をごくんごくんと飲んだ。この様子を窺っていた爺さん、すばやく河童に近付き、頭の皿の水を掻き出して河童を縛りあげてしもうた。

爺さんは、捕えた河童を杭に縛りつけて懲らしめることにした。その日一日、カンカン照りの日差しの中、河童は悪態をついて騒いでおったが、日が暮れる頃にはぐったりしてしもうたそうな。

五作爺さんの孫娘のお小夜は河童が可哀そうになって、河童の縄を解いてやるよう爺さんに頼むのじゃった。爺さんは何事か考えておったが、その日の夜遅く、河童の縄を切ってやった。そうして、河童にもう二度と人間に悪さはしないという証拠を見せることと、田んぼの草取りを手伝うことを言いつけた。

翌日、河童は頭の皿に水を入れてもろうて、歌を歌いながら器用に田んぼの草取りをした。そうして夕方になると、爺さんは河童を砂子多川に連れて行った。すると河童は「川の中で一番大きな石を砂子多川のたもとに置き、その石が砂粒になるまで、もう二度と河童一族はこの土地の人間に悪さをしません。」と言うて沼へ帰って行ったそうな。

それからしばらくして、河童が約束した通り、砂子田川の橋のたもとには大きな石が置いてあった。それから何年も何年も経って、今ではあんまり河童の話をする者もおらんようになって、あの河童達がどこへ行ったものやら、それは誰にも分からんということじゃ。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2013-5-18 21:01)


ナレーション常田富士男
出典山口のむかし話(日本標準刊)より
出典詳細山口のむかし話(各県のむかし話),山口県小学校教育研究会国語部,日本標準,1973年09月01日,原題「砂子多のかっぱ」,文「長井徳枝」
現地・関連お話に関する現地関連情報はこちら
場所についてかっぱ石(河童が持ってきた石)
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地図:かっぱ石(河童が持ってきた石)
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※掲載情報は 2013/5/19 0:31 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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beniko  投稿日時 2011/10/11 0:30 | 最終変更
地域に詳しい方じゃないと知らない情報ですね。さっそくかっぱ石をマッピングしてみました。(が、紅子が間違っていたらすいませんが再度ご指示下さい)

紅子は九州人です。九州エリアはまあどうにか馴染みもあるし愛着もあるので頑張ってマッピングしていますが、九州以外はさっぱり見当もつきません。(新潟と岩手エリアのお話が多くて、ちょっぴり嫉妬)
この場をお借りして申し上げますが、どうぞ「お話の地域にお詳しい方」からの情報提供をお願いいたします。
araya  投稿日時 2011/10/10 21:30
地図は適当とのことですので、河童(勝谷のエンコウ)が契約のために持ってきた石を復元した「かっぱ石」の位置をお知らせいたしておきます。
マーキングのある川の上の川が砂子多川になりますが、読売センターの文字とそれより上の橋(13の字の斜め左上)の間に、うっすらと川の中に道のような線が描かれています。その左下の部分(新下関の関の字がかかっている集落から上に伸びている道の終わりの手前)に「かっぱ石」がありますので、修正をお願いします。
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