No.0191
うそにのるよく
嘘にのる欲
高ヒット
放送回:0118-A  放送日:1978年01月21日(昭和53年01月21日)
演出:高橋良輔  文芸:沖島勲  美術:本田幸雄  作画:岩崎治彦
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あらすじ

昔々あるところに、朝ご飯はうめぼしをよく見て、唾が出てきたのをおかずにするというくらい、話にならないくらいの欲張りでケチな長者がいました。

ところで、この村に、ものすごくうそをつくのがうまい男がいました。ある日その男は、馬を連れて例の長者の家に行きました。

そこで男は、何を思ったか財布から金を取り出すと、連れていた馬の糞の中にいれました。そしてこの馬を「金のくそをする馬」といい、長者にをだまして売りつけました。半年後、今度は「薪なしでご飯が炊ける釜」をだまして売りつけました。

だまされて怒った長者は使用人と共に男を捕まえ、俵の中に入れて簀巻き(すまき)にして海に放り込もうとしました。しかし、いざ殺すとなるとさすがに哀れに思ったか、こんな男でも念仏をもらっといてやろうと思い、長者は近くの寺に寄りました。男はその隙に、通りかかった鰯売りを得意のうそでだまし、すり替わりました。

そうとは知らず、長者はすり替わった鯖売りを海に投げ入れ、屋敷に戻ってきました。しかし、門の前には海に投げ入れたはずの男が何食わぬ顔で座っていました。驚く長者をよそに、男は鰯売りが持っていた鰯を見せながら、長者にこう言いました「あんな浅いとこに投げられたんじゃ、鰯しか取れない。もっと深いとこなら鯛やヒラメがとれたのに」

それを聞いた長者は、鯛やヒラメ欲しさに自ら俵の中に入り、使用人に海の深いところに投げ込ませたとさ。

(投稿者: niou 投稿日時 2012-2-23 18:28 )


ナレーション市原悦子
出典松岡利夫(未来社刊)より
出典詳細周防・長門の民話 第二集(日本の民話46),松岡利夫,未来社,1969年10月20日,原題「嘘にのる欲」,採録地「厚狭郡、豊浦郡」,話者「岡本コメノ、井上寛次」
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※掲載情報は 2012/2/23 23:18 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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日清皿太夫  投稿日時 2021/10/15 18:02
 この類の昔話は一休さんや吉四六ばなしのように知恵者・とんち者が権力や卑怯な金持ちをギャフンと言わせる展開が生命。それほど脳をフル回転させなければ生きて行かれないという前近代性はボーマルシェ『フィガロの結婚』にも通じる。
 何故か「うそをつくのがうまい」男を最初から思い入れ出来ないように仕立てた時点で相当マイナスだと思いました。政策達成が無く言い訳ばかり上手い政治家を褒める人はいっぱい居るようなのにね。現代にも『昔ばなし』の種と芽はいたるところにある!

 個人的にこのチームの映像化では小式部内侍が市原悦子さんそっくりに見えるNo.0133「天のはしご天の橋立」と嫁さんが市原さんに見えるNo.0150「屁ひり女房」が好き。「天の~」などは版画と墨絵の線を用いたセルアニメと全く異なる雰囲気が眼を惹きます。ボトムズやダグラムのディープなファンがどう見るかは知らない。絵の調子の激変は、しもゆきこ×堀田篤子チーム(特にNo.0921「としがみさま」)にも感じられますね。
吉兵衛どん  投稿日時 2021/8/10 10:39
これは…正直言ってわらえない…
もんた  投稿日時 2020/2/26 18:49
馬鹿を見るのは正直者ですね。
シナク  投稿日時 2018/4/15 21:08
イワシ売りと長者を殺害した嘘つき男はこの後間違い無く地獄行きになっただろうな。
坊屋良子  投稿日時 2017/5/23 23:45
鰯売りが助かっていたのがせめてもの救いですね。
ゲスト  投稿日時 2016/3/4 21:37
正直このうそつき男にも天誅が下されてほしかった。
ゲスト  投稿日時 2015/2/8 0:54
鰯売り(´・ω・`)
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