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No.0019
すずめときつつきとやまばと
雀とキツツキと山鳩
高ヒット
放送回:0010-A  放送日:1975年03月11日(昭和50年03月11日)
演出:近藤英輔  文芸:鈴木良武※備考参照  美術:半藤克美(スタジオユニ)  作画:金沢比呂司
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あらすじ

雀とキツツキ(お話前半)-四国地方の昔ばなし

奉公に出ていた啄木鳥と雀の姉妹のところに「チチキトク」の知らせがあった。

妹の雀はまだ染めていない白い反物を大急ぎで着物に仕立て、道中どろんこになりながら父の元へ急いだ。 姉の啄木鳥は父親より、綺麗な着物を仕上げることを優先し、父親が死んだ後にようやくやってきた。

悲しんでいる雀に、啄木鳥は綺麗な着物を自慢する。そこへ神様が現れ「孝行者の雀は米を食べる事ように。親不孝な啄木鳥は木をつついて虫を食べるように」と言った。

それで、雀はどろんこの茶色い姿だが美味しい米を食べ、啄木鳥は綺麗な柄だが餌をとるのに苦労するようになった。

山鳩(お話後半)

昔、あるところに人に言われたことの反対をやる、へそまがりな男の子がおりましたそうな。父親は息子を心配するあまり病気になってしまいました。

父親は考えました。自分が死んだら山へ埋めてもらいたい。でも山と言えば川に埋めるに決まってます。 そこで反対のことをいうことにしました。

「おっとうが死んだら川へ埋めてくれ。間違っても山へ埋めてはなんねえぞ」 そう言って、おっとうは死にました。 男の子はさすがに目が覚めました。「おっとう、おらがわるかった。おっとうの言いつけ通り、川っぷちに埋めてやるだよぉ」

へそまがりのせがれはたった一度、おっとうの言いつけを守ることにしました。 こうしておっとうの思っていたこととは全く逆に、川の側に埋められたのです。

ところがこの川は雨がふると、すぐに水があふれます。お墓もどうなるかわかりません。雨がやみ、また雨が降り、と繰り返していましたから、畑仕事どころではありません。

男の子はくたくたになって「おっとうよ、おらもうだめだ。おらが鳥だったらこんな時ぱーっと飛んでいけるのになぁ」

するとどうでしょう、男の子は気がついたら山鳩になって飛んでいたのでした。それから、山鳩は雨が少しでも降りそうになると、てておや(父親)のことを心配して「ててぽっぽ、ててぽっぽ」と谷や川を鳴きわたるようになったんだとさ。 

 

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション市原&常田
出典(表記なし)
備考2話構成になっている。狢工房さまによれば文芸は平見修二氏。
VHS情報VHS-BOX第2集(VHS第13巻)
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追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第10巻-第048話(発刊日:1976年12月10日)/講談社テレビ名作えほん第012巻(発刊日:1977年10月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「四国地方の昔ばなし」
講談社の300より書籍には地名の明記はない
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※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
6件表示 (全6件)
Perenna  投稿日時 2019/4/10 23:17
「雀とキツツキ」の昔話は、沖縄に伝わる「雀と翡翠(カワセミ)」という話と似ていますね。
昭和11年に出版された「南の伝説」では、次のような昔話になっています。(コマ番号18/174)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1463773/18?tocOpened=1

「あるところにスズメとカワセミの兄弟がいた。
家が貧乏なので、この兄弟は首里の町に奉公に出ることになった。
スズメは真面目なので、奉公先で一生懸命働いた。
カワセミは派手で、金づかいがあらい遊び人だった。
あるとき故郷から手紙が来て、父親が病気であることを知った。
スズミは作業着のぼろを着たまま、急いで父の家に帰った。
カワセミはその数日後に、美しい着物を着てゆうゆうと帰郷した。
しかしカワセミが家に着いたときには、すでに父親は亡くなっていた。
それ以来カワセミは、親の死に目に間にあわなかったことを悔いて、川で泣き暮らし、魚を食べて暮らすようになった。
一方、スズメのほうは親孝行をしたかいがあって、穀物庫の近くに住んで、米を食べて安楽に暮らせるようになった。」

似たような昔話は、日本各地にいろいろなバリエーションで伝えられているのかもしれませんね。

はなののののはな  投稿日時 2018/8/5 11:41
何だかすごく心に残ります。
雀とキツツキの姿、山鳩の鳴き声の中に、生き方を語ることが出来るって素晴らしいです。
山猫  投稿日時 2015/5/6 11:05
山鳩の話のモデルは中国の故事説話ではないでしょうか。元ネタでは滑稽話に終わっていましたが、悲劇的な終わらせ方にするところが独特ですね。
M  投稿日時 2013/9/5 20:57
 雀とキツツキの話も、山鳩の話も、両方とも、親を思う話なのですね。

 そうなったわけの話&「親を思いましょう」という教訓の話なのでしょう。
MARIE  投稿日時 2013/6/26 21:16
 諸説あって、すずめときつつきの話では、キツツキの所がツバメに、山鳩の話では、山鳩の所がとんびになっています。
マニアック  投稿日時 2012/1/6 23:28
ある絵本では、山鳩の話はなかったぞ。
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