No.0185
わくくりいわ
わくくり岩

放送回:0115-B  放送日:1977年12月24日(昭和52年12月24日)
演出:小林三男  文芸:沖島勲  美術:内田好之  作画:森田浩光
広島県 ) 11413hit
あらすじ

昔、広島県安芸郡に三田峠(みたがだお)という峠に一軒の家があり、お婆さんが機を織って暮らしていました。

ある暑い夏の日。旅のお坊さんが「水を一杯ください」とたずねてきたので、お婆さんはめんどくさがらず、家の裏から冷たい谷川の水をくんで手渡しました。

親切なお婆さんに感心したお坊さんは、機織りの糸を入れている管(くだ)を手にして、ごにょごにょと唱えました。お坊さんは「これからはこの管からいつまでも糸が出続けます。でも決して疑ったらいけないよ」と、不思議な事を言い残して去って行きました。

それからというもの、本当にお婆さんの糸はいくら使っても、全く減りませんでした。やがてこの事は庄屋さんの耳にも入り「その糸で正月までにワシの着物を織ってください」と、お婆さんに依頼しました。

お婆さんは毎日毎日機を織り続け、大晦日にはもう少しで織りあがるところまで仕上がりました。ホッと一息したお婆さんは、ふと不思議な管の事が気になり始めました。「管の中はどうなっているんだろう」と、管を覗いたりつついたりしてみましたが、これといって仕掛けはありませんでした。

日も暮れはじめ、お婆さんは機織りの続きを始めましたが、どうしたことか管から糸が出てこなくなりました。慌てたお婆さんは、外の雪明りを頼りに、糸をつむぐわくくりを使って、冷たい雪の降る中でカラカラと糸をつむぎ始めました。

やがて夜も明けて、元旦の朝になり、庄屋さんがお婆さんの家までやって来ました。すると、大きな岩の上に座り、わくくりを握ったまま凍え死んでいるお婆さんを見つけました。

それから毎年、大晦日の夜になると、この岩からカラリンカラリンとわくくりの音が聞こえてくるようになりました。村人たちはこの大岩の事を「わくくり岩」と呼び、機織りが上手になるよう願う娘たちが岩の上で糸をつむいでいくようになったそうです。

(紅子 2012-12-1 2:14)


参考URL(1)
http://rakuzanbunko.blogspot.com/2011/11/blog-post_29.html
参考URL(2)
http://www.fukugi-e.edu.city.hiroshima.jp/sonohoka/wakukuriiwa.html
ナレーション市原悦子
出典垣内稔(未来社刊)より
出典詳細安芸・備後の民話 第一集(日本の民話22),垣内稔,未来社,1959年11月25日,原題「わくくり岩」,採録地「安芸郡」,話者「田川りと、辻治光」
場所について広島市東区福田町の三田峠(地図は適当)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
地図:広島市東区福田町の三田峠(地図は適当)
追加情報
このお話の評価5.3333 5.33 (投票数 3) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/12/1 2:14 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 27  件):   <前  1  2  3  4  5  6  7  .. 27  次>  
新しくコメントをつける

題名:
ユーザ名:
投稿本文

投稿に関してのお知らせ

基本的に、誰でもご自由に投稿できます。お話の感想やコメントなどお気軽に投稿ください。
あらすじ投稿の場合は800文字前後を目安とした文章でお願いします。
投稿に対して一部IP規制を行っております。現在規制されているIPリストはこちらです。
※初めての方は「このサイトについて」もご一読下さい。(別ウインドウで開く)
※社会的倫理に反する書き込み、出会い系、営業的書き込みは、わりとすぐ消します。
※動画提供の呼びかけや要求はご遠慮ください、当サイトは動画データの有無とは関係ございません。

現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

34 人のユーザが現在オンラインです。 (21 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)