昔、あるところに貧乏な炭焼きの若者がいた。若者は村の庄屋さんの娘に惚れており、何とかして娘を嫁にもらういい方法はないものかと思案に暮れていた。
そんなある日、男は何を思ったか、山に分け入って山鳥を捕らえようとした。がしかし山鳥たちは男の仕掛けた罠には掛からず、しかたなく男はあきらめて今度はフクロウを捕まえようとした。
やっとのことでフクロウ一羽捕まえた男は夜になってから鼻に木の枝をくくりつけ庄屋さんの屋敷に忍び込み、高い松の木の上で待ち伏せていた。するとそこに出かけていた庄屋さんが帰ってきたので、男は石鎚山の大天狗と名乗って、庄屋さんに自分と娘を夫婦にすれば商売繁盛間違いなしと言い、フクロウを使って羽ばたく天狗の演出までして庄屋さんを吃驚させた。
そんなこんなで二人は結局夫婦となり、なんとか仲良くやって行き家を益々栄えさせたという。
(投稿者: kokakutyou 投稿日時 2012-6-1 23:29 )
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 愛媛のむかし話(日本標準刊)より |
出典詳細 | 愛媛のむかし話(各県のむかし話),愛媛県教育研究協議会国語委員会、愛媛県教育会,日本標準,1975年11月10日,原題「炭焼きのむこ入り」,話者「鶴田幸生」,再話「宇都宮秀雄」 |
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