No.1441
さけかいじぞう
酒買地蔵
高ヒット
放送回:0923-B  放送日:1994年02月26日(平成06年02月26日)
演出:若林常夫  文芸:沖島勲  美術:田中静恵  作画:若林常夫
滋賀県 ) 23557hit
あらすじ

昔、とある小さな村に小さな酒屋があった。この村は、この年は台風のせいで不作であり、酒飲みの村人たちはみんな愚痴をこぼしながら酒を飲んでいた。その酒飲みたちの中に、いつも笑いながら飲んでいる不気味な男がいた。

ある時、夜も深まった頃に酒屋に真っ赤な緋(ひ)の衣を着たお坊さんが酒を買いにやってきた。よく笑うお坊さんは「酒は、知恵がわく般若湯(はんにゃとう)よ」と言う。女主人はお坊さんが持ってきた浄教寺(じょうきょうじ)の台帳を信じて、酒を売ってあげた。

酒屋には相変わらず日が暮れると、酒飲みの村人たちが集まってくる。夜も深まった頃、また緋の衣を着たお坊さんがやってきた。そこで、女主人は「酒が知恵の湧く般若湯だと言うのなら、困ってる村人を救ってやってくれないか」と頼んでみた。お坊さんは笑いながら承知すると、酒を飲み般若心経を唱え出した。

するとどうしたことか、不気味に笑っていた男が苦しみだして、ついに異形の姿を現して酒屋から逃げ出していった。お坊さんは「あれは酒鬼(さかおに)と言って、あれがとり憑くとみんな酒に溺れるようになる。もう去っていったので大丈夫だ」と言うと酒を買って帰っていった。

その年の大晦日。酒屋の女主人が酒代を貰いに浄教寺を尋ねると、住職は「わしは酒は飲まないのだが、確かにこれはお寺の台帳だ」と言う。住職はまさか…とお寺の上にある地蔵堂へ向かうと、そこには緋の衣をきたお地蔵さんが立っていた。住職は、「お酒を供えるので、もうふらふら出歩かないで座っていてください」と言うと、お地蔵さんは座って半跏(はんか)の姿になった。

それから、このお地蔵さんに「お神酒」ならぬ「般若湯」としてお酒を供えるようになり、酒鬼が居なくなった村は、うまくいくようになりみんな幸せに暮らしました。

(投稿者: もみじ 投稿日時 2012-6-18 14:21 )

※般若湯:仏教の隠語で酒のこと
※台帳で買う:つけによる後払い。店側が大晦日に借金回収にいく。


ナレーション市原悦子
出典滋賀県大津市
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※掲載情報は 2012/6/18 17:23 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
8件表示 (全8件)
もんた  投稿日時 2020/12/18 18:05
何のことかわかりません。
こんはる  投稿日時 2020/10/19 20:41
おい、お地蔵さんがこんなお酒を買いに行くなんて、びっくり❗️
おおめしぐらい  投稿日時 2019/2/8 12:39
旨そうに酒飲んで気持ち良い
頭方  投稿日時 2018/11/30 10:36
大笑い男、坊さんかつ地蔵役で登場。この話を観ると、酒が飲みたくなってくるな。
天網恢恢  投稿日時 2017/2/12 22:31 | 最終変更
タイトルのふりがな
× さけかいじそう
○ さけかいじぞう
ーー
ありがとうございました。タイトルのふりがなを訂正しました。(2017/2/13)
ゲスト  投稿日時 2016/9/2 22:32
いろいろな事情があって、お供えをする慣わしががあるのか!、、と納得します。身の回りの困りごとも解決しそうな予感に、明るい嬉しさを想像しました。
パンチョ  投稿日時 2012/10/24 1:06
お坊さんの飲みっぷりが良いね。思わず酒が飲みたくなってくる。

日本昔話の食い芸って、本当にお見事ですね。日本昔話では結構お酒を飲むシーンがあるけど、この酒を飲む演技がすごい。めっちゃ旨そうに酒を飲むので、子供の頃はお酒を飲んでみたくてしょうがなかったっけな。
マニアック  投稿日時 2011/11/14 20:08
大笑い男、またもお坊さんと思いきや、地蔵さんだったから、結構まとも。
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