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No.1429
おこぜのとげ
おこぜのトゲ

放送回:0911-A  放送日:1993年11月27日(平成05年11月27日)
演出:やすみ哲夫  文芸:沖島勲  美術:柴田千佳子  作画:古宇田文男
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あらすじ

ある時、竜宮の姫さまが重い病にかかりました。

魚たちは相談して、病気に効くという「山の神様の桃」を取りに行く事になりました。しかし、魚たちは山の神さまが怖いので、誰も名のり出る者はいませんでした。そこで、醜い顔のオコゼをこの時とばかりにおだてて、山の神さまのところへ桃を取りに行かせました。

オコゼから姫さまの事を聞いた山の神さまは「竜宮の姫さまを嫁にくれれば、桃をひとつあげても良い」と、取引を持ちかけました。オコゼは仕方なく姫さまとの仲人の約束をして、桃をもらって逃げるように竜宮へ帰っていきました。

この桃を食べた姫さまは、すっかり病気が治り元気になりましたが、山の神さまの桃の力により妊娠してしまいました。どんどん膨れるお腹に気がついた両親はカンカンに怒り、姫を竜宮から追い出してしまいました。

仕方なく姫さまとオコゼは、身重な体で山の神のところへ行き、そこで出産する事にしました。やがて姫さまは産気づき、三日三晩かけてなんと404人もの子供を産みました。出産のお世話をしていたオコゼが、子供の足に触るとオコゼのとげの毒で足が悪くなり、腹に触ると腹が悪くなり、頭に触ると頭が悪い子どもになりました。

最初は喜んでいた山の神でしたが、あまりの子供の多さにほとほと嫌になって、子供たちを追い出してしまいました。あちこちに飛び散った子供たちのおかげで、人間界に404の病が始まることになりました。

こんな事があって、山奥に引っ込んでしまった山の神は、女人が山へ来るとたちまち機嫌が悪くなるようになりましたとさ。

(紅子 2012-7-31 0:14)


ナレーション市原悦子
出典辺見じゅん(角川書店刊)より
出典詳細神々の物語(日本の民話03),辺見じゅん=清水真弓,角川書店,1973年10年25日,原題「山の神とおこぜ」,伝承地「四国地方」
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※掲載情報は 2012/7/31 0:14 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
7件表示 (全7件)
Opera  投稿日時 2022/1/29 23:54
育児放棄、ダメゼッタイ。
吉兵衛どん  投稿日時 2021/10/2 9:46
この404の病の中にコロナウイルスもいたのかな…
頭方  投稿日時 2018/12/20 17:04
やすみ作品、最終作!
はなののののはな  投稿日時 2018/8/5 14:47
何て面白いお話でしょう。
浦島太郎以外にも、竜宮って出てくるのですね。
おこぜの扱いがちょっと可愛そうと思ってしまいます。毒で子どもが悪くなるとか。おこぜという魚をよく知らないので、機会があったら調べてみようと思います。
お姫さまはその後どうなったのでしょう?
それから、山の神が女性を嫌いって、聞いたことがあります。
また、ももっていうのも、本当に生命の力の象徴なのですね。
404っていうのは、仏教か何かの数字と関係があるのでしょうか?
山猫  投稿日時 2015/5/6 11:03
よく山の神様は嫉妬深い女の神さんだからといって、魚を奉るときは醜い姿のオコゼを選ぶ風習が全国各地にありますね。違う文脈ですが、とても似ているように感じます。
もみじ  投稿日時 2015/2/12 23:57
竜宮のお姫様、気の毒。
オコゼは何かと山の神様だったり海の神様だったりに
良いように使われて可哀想な魚ですね(・ω・;)

そして、育児放棄の山の神様、ちょっと無責任すぎるかも。
ゲスト  投稿日時 2015/2/11 22:13
何このひどい話。
オコゼも竜宮の姫も散々だな…
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