No.1378
はなたかつづみ
鼻高つづみ

放送回:0875-A  放送日:1993年01月30日(平成05年01月30日)
演出:小林治  文芸:沖島勲  美術:千葉秀雄  作画:関根昌之
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あらすじ

昔あるところに久助という名前の人のいい木こりがいた。ある日のこと、いつものように木を切っていた久助は、うっかり斧を持っていた手を滑らせてしまった。斧は久助の手を離れると空高く舞い上がり、岩の上で昼寝をしていた天狗の鼻の先を切り落としてしまった。

久助は天狗に鼻先を切り落としてしまったことを詫びた。しかし天狗は気にも留めず「自分は1000日の修業を9日で逃げ出した未熟者。自分にも非はあった。しかしこんなこともできる」といって、鼓を取りだしポンポンと打つと、鼻は元に戻った。驚く久助をよそに、天狗はさらに蓑と笠を身に着けて、姿を消して見せた。これを見た久助は、母親が作ってくれた握り飯と引き換えに、天狗から鼓、蓑、笠をしばらく貸してもらうことにした。

村に帰ってきた久助は、さっそく蓑と笠をつけて姿を消した。そして大酒のみの虎十の家にもぐりこんで虎十をからかったり、馬子の孫六の馬を連れだしたり、お寺のお供物を食べてしまったりと、いたずらのやりたい放題であった。次に久助は自分の低い鼻を高くしようと、鼓をポンポンと打った。鼻はどんどん伸びて行った。調子に乗ってさらに鼓をたたくと、鼻は山や海を越えて、お隣の中国にまで伸びて行った。

久助の鼻先は中国のお寺の庭の池の中に落ちた。池ではちょうど、きれいな若い娘が髪を洗っている最中であった。娘は大変驚いた。そのころ久助はそろそろ鼻を元に戻そうと、再び鼓をポンポンと叩いた。しかし鼻先が動かない。娘が鼻先を池の岩に縛り付けてしまったのである。

そこへ天狗がやってきて「使い慣れないものを使うからじゃ」と言って笑った。気が付くと、久助がいたずらをしかけた人たちがみんな周りに集まってきて久助のことを笑っている。

久助は「どうしたら鼻がすぐに短くなるのか」と天狗に聞いた。天狗は「鼓を逆さにしてポンと叩けばよい」と答えた。その通りに久助がすると、久助の体は天高く舞い上がり、西の空へと消えて行った。その後久助は中国で、あのきれいな若い娘と結婚して、幸せに暮らした、と風のうわさで村にも伝わってきたということである。

(投稿者:カケス 投稿日時 2014/2/12 21:48)

 


ナレーション常田富士男
出典岐阜県
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※掲載情報は 2014/2/13 11:03 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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taneugene934  投稿日時 2021/12/7 14:20
久助は悪い奴に必ず教えてやらなきゃいけない。
自分みたいな善人に厄介ないたずらするな。
日清皿太夫  投稿日時 2021/10/21 2:07
 落語のようなホラ話を、修行中の天狗や隠れ蓑のイタズラというお馴染みの要素とお馴染みのキャストを動員し、どデカいスケールで見せる!この年『昔ばなし』は新作が一本の週と二本の週がほぼ交互に来ていました。「(後期は)製作費が困った」と市原悦子さんは語っていたけれど、そろそろ製作陣の頭に番組締め括りがチラついていた時期かも知れません。

 鼻が度を越して伸びる『日本沈没』もどきの場面はどうもカメラが北海道上空から四国と九州を捉えており、鼻は左、つまり太平洋に向かって伸びている。人智を越えた力がアホな使われ方を(爆)『ドラえもん』で昔ばなしの世界に入ったのび太が一寸法師に向かって大きくなーれと打ち出の小槌を振り過ぎ、法師が巨大化し低い声で泣きベソをかく場面があったのを思い出しました。
猫  投稿日時 2021/5/1 20:17
下唇おじさんや、大目玉男など、小林治さんのお話の登場人物(私は役者とよんでいます)には一人一人に名前がついていますが、このお話の主人公、久助や、鬼怒沼の機織姫の弥十など、登場回数も少なく、毎回微妙に顔が違う気がしますが、このキャラクターの名前がわかりません。どなたかおわかりになる方がいらしたら、教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
頭方  投稿日時 2018/11/30 10:21
下唇おじさん、大酒飲みの虎十役で登場。でも、すぐにイコール眉毛の金魚男にからかわれる羽目に…
ゲスト  投稿日時 2018/4/21 17:47
この話から、小林オールスターズの紅一点キャラの目の形がネコっぽくなった。
モチモチ寸  投稿日時 2018/4/16 18:22
下唇叔父さん、痩せ男、紅一点の美女、大目玉男、泥棒髭男、イコール眉毛の若者など小林オールスターズ、またこの話で勢揃い。
カケス  投稿日時 2014/2/12 21:55
昔話でこういう終わり方をする話も珍しいですね。しかも「国際結婚」ですか!最後に出てくる、久助のチャイナ服がとてもかわいかったのを覚えています。中国は久助に合っていたのかもしれませんね。
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