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No.1375
たわしのかみさま
たわしの神さま

放送回:0873-A  放送日:1993年01月16日(平成05年01月16日)
演出:こはなわためお  文芸:沖島勲  美術:安藤ひろみ  作画:柏木郷子
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あらすじ

昔ある所にたくさんの使用人をかかえた大きな商家があった。

大変繁盛している商家であったが、この商家の主人は物を大切にせずすぐに捨ててしまう癖がありました。やがて使用人にもその癖が移ってしまい、何でもかんでもすぐ捨てるものだから、一日が終ると屋敷の裏はごみだらけになってしまった。

そんなある夜のこと、番頭さんが夜遅くまで一人でその日の売り上げを勘定していた。そして夜もとっぷりふけた頃、どこからかこそこそと話声が聞こえてきた。番頭さんが耳をすましてみると、その声はどうやら天井の方から聞こえてくるようだった。番頭さんは不思議に想って、天井裏をそっと覗いてみた。

するとそこには、きゅうすや提灯やそろばんやわらじの顔をした人が集まって話していた。その話は「この家の者は何でもかんでもすぐ捨てるので困っておる」というものだった。番頭さんは、これは道具に宿る神様の寄り合いだと気付いた。

やがて、ある神様が「このままではわしらは浮かばれん。よってこの家を焼くことにする!」と言い、皆もそれに賛成した。番頭さんは肝をつぶし、急いで主人を起こしにいった。番頭さんと主人は恐ろしくて震えた。

だがその時、「わしは反対じゃ」と言う声がした。見てみるとそれは「たわし」の神様で「ここの手伝いの娘がそれはたわしを大切にしておっての。その娘がいるからにはこの家を焼くことはできん」と言った。全員の意見がそろわなくては家を焼くことができず、他の神様は渋々家を焼くのをあきらめた。

こうしてたわしの神様の出現で、家は焼かれずにすんだ。次の日、番頭さんと主人は、たわしを大切にしているという娘に昨晩の事を話し、深く礼を言った。娘は「たわしは大した道具じゃないけど、大事に使えば長持ちするものじゃ」と言った。

それを聞いた番頭さんと主人は、心を入れ替えて物を大切に扱うようになった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション常田富士男
出典伊藤曙覧(未来社刊)より
出典詳細越中の民話 第一集(日本の民話35),伊藤曙覧、石崎直義、佐伯安一,未来社,1963年09月20日,原題「たわしの神さまと下女」,採録地「氷見郡、射水郡」,話者「林つよ、伊藤タメ」
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※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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猫  投稿日時 2021/4/4 17:09
私はこの商家の方々とは反対に、片付けが苦手でもう絶対使えないような物でも捨てられずにとっておいてしまうことがあります。そして、物を捨てる時にはいつも複雑な思いになってしまうので、こんなに潔く物を捨てられる商家の人たちを逆に少し羨ましくも思ったりしますが、あんまりなんでもかんでも捨ててしまうのはよくないですね。
何事もやりすぎは禁物ってことですかね。
50代男性  投稿日時 2018/3/15 10:09 | 最終変更
断捨離?
使い捨て?
直すより買った方が安い?
というご時世だから、今の若者に果たして響くのか心配である。
そして、何かあると「これは当時の国の刷り込みなんですよ」などとしたりがおでいう識者が登場すると、庶民は皆誘導されてしまう。

あやくじらのにわ  投稿日時 2017/7/11 3:03
可愛いい道具の神様たちが気にいっています。タワシの神様のおか
げで、救われみしたね。
匿名希望  投稿日時 2015/9/24 14:45
こはなわさんの作画の中では、登場人物を可愛くまとめてますね。
華煌めく  投稿日時 2014/10/11 21:13
いつも楽しく拝見しています。
このたわしの神様は、次男が小学生の頃、
物を大切にすることがなぜ必要なのか、
分からないと言うお友だちのために学校へ、
ビデオを持って行き、クラスの全員で鑑賞し、
話し合いの場を持ったという、思い出深いお話です。

TV 放送当初から、これらのお話は
未来の子供たちに語り継ぐべき
ものだと思って来ました。
子供たちが幼い頃は、家事を早めに済ませて、
一緒に見て楽しみました。
今は孫に会うたび、動画を見せています。

これからもながく続けて下さいますよう
お願いいたします。
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