No.1367
へびとなかだち
蛇の仲だち

放送回:0867-B  放送日:1992年11月21日(平成04年11月21日)
演出:辻伸一  文芸:沖島勲  美術:山崎弥生  作画:辻伸一
群馬県 ) 16966hit
あらすじ

昔、群馬の赤城山の近くの山の中に、東の家と西の家の2軒の百姓の家がありました。この2軒の者はひどく仲が悪く、いつも喧嘩ばかりして、お互いに困らせあっていました。

田んぼを耕す季節になった頃。東の者と西の者とで、田んぼの境界線を巡って言い争いが始まりました。少しでも自分の田んぼを広くしようと、畦(あぜ)の位置を東へ寄せたり西へ寄せたりしていましたが、ついには取っ組み合いの喧嘩になる始末でした。

翌朝、東の者がまだ暗いうちから起き出して、畦の位置を調整するため作業を始めました。すると、大ヘビが畦の上で寝ていたので、クワで蛇を放り投げました。

しばらくして、東の者がやってきました。すると、またまた大ヘビが邪魔な場所にいたので、クワで蛇を放り投げました。怒ったヘビは、二人の体に巻きつき、ギュウギュウと締め上げました。

大ヘビに締め上げられ、二人は身動きすらとれなくなりました。大ヘビは「困ったときはお互い助け合い、仲良く生きるように」と諭しました。これに懲りた二人は、その後からは喧嘩をすることもなく、仲良く過ごしたそうです。

(紅子 2013-8-18 22:24)


ナレーション常田富士男
出典酒井正保(未来社刊)より
出典詳細上州の民話 第二集(日本の民話64),酒井正保,未来社,1977年08月30日,原題「蛇に仲だちされた百姓」,採録地「勢多郡」
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※掲載情報は 2013/8/18 22:24 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
3件表示 (全3件)
猫  投稿日時 2021/7/13 21:20
大変面白いお話でした。毒を持つなどとして、人間から厄介者扱いされている蛇でも、人間ならではの厄介ないがみ合いの仲裁をすることがあるのですね。まぁとにかく、二人が仲良くなれてよかった!!二人が喧嘩している様子や、蛇が二人を縛りあげる描写など、とても面白かったです。辻伸一さんの演出はやはり上手ですね。このお話の蛇が、顔の目の下辺りがいつも少し赤くなっていて、お酒に酔っているみたいで面白いです(笑)
のりくん  投稿日時 2012/7/22 9:38
群馬県太田市に日本蛇族研究所、ジャパンスネークセンターがありまして、園内からは赤城山をのぞむこともできます。ジャパンスネークセンターに行った時に職員さんにこのお話とジャパンスネークセンターは関係あるのか聞きましたが、よくわからないとのことでした。
ゲスト  投稿日時 2011/11/7 20:43
何かあったらどうする。まったく人間ってやつは 
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