昔、美濃国の山奥に、甚太という男の子と病気で寝たきりの父親がふたりで暮らしていた。
甚太は、山へ行って薪を拾いそれをお金に換えていたが、この日は薪は少ししか売れなかった。父親の為にもお酒を買うことも出来ないので、団子を一本買うことにした。
団子屋のお祖母さんと孫娘は、甚太のことを不憫に思い一本おまけしてくれた。その夜は親子は久々に団子を食べて幸せな気分になった。
ある秋の日のこと。甚太はいつもより遠くの山へ出かけて薪をとり行ったが、奥へ行くうちに日が暮れてしまった。甚太は父親のことが気になったが、今から家へ帰るのは無理なので野宿することした。
夜が明けて目が覚めると、霧と共に良い匂いがしてきたので、匂いのする方へ歩いて行くと大きな滝に着いた。滝の水を手ですくって飲んでみると、身体が温かく元気になった。
甚太は瓢箪(ひょうたん)にこの水を沢山入れて持って帰り、父親に飲ませた。父親はこれは酒だと言った。
甚太は毎日、滝へ出かけて水を汲み、父親に飲ませたおかげで父親は元気になり働けるようになった。後日、甚太の家を訪ねた団子屋のお祖母さんと孫娘は「きっと山の神様が孝行息子の為に恵んだのだろう」と思った。
この滝の噂は国中に広がり、孝行息子が年老いた父親を養ったことから、養老の滝と呼ばれ語り継がれた。
(投稿者: Kotono Rena 投稿日時 2013-10-24 20:46)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
備考 | 出典元不明ですが、初期版のリメイク版である点をふまえ「岐阜」としています。 |
VHS情報 | VHS-BOX第2集(VHS第13巻) |
場所について | 美濃国の養老の滝 |
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