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No.1283
さんぼんえだのかみそりぎつね
三本枝のかみそり狐
高ヒット
放送回:0811-B  放送日:1991年08月31日(平成03年08月31日)
演出:小原秀一  文芸:沖島勲  美術:小原秀一  作画:小原秀一
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あらすじ

昔、ある村はずれの「三本枝」という竹やぶに、人を化かすキツネがすんでいました。

村人たちがキツネを恐れる中で、この村の「彦べえ」という若者だけは、少しも信じていませんでした。彦べえは、たそがれ時になって一人で竹やぶに出かけていきました。

すると暗い竹やぶの中を、赤ん坊をしょった娘が一人で歩いていました。何となく怪しいと思い娘の後をつけていくと、「おっかあ、泊まりに来たよ」と、娘は一軒のあばら家へ入って行きました。

この様子を見た彦べえは「婆さん、娘はキツネで赤ん坊は赤カブだ」と、あばら家へ押し入りました。そして赤ん坊を婆さんから取り上げ、いろりの火に投げ込みました。ところが彦べえの予想に反して、赤ん坊はそのまま焼け死んでしまいました。

彦べえは、恐ろしくなってその場を逃げ出しました。孫を殺された婆さまは、包丁を持ち出し「孫を殺した奴を生かしてはおけない、命を取ってやる」と、ものすごい形相で彦べえを追いかけました。

彦べえは、命からがら山寺に逃げ込み、かくまってくれるように頼みました。山寺の坊さまは、彦べえを本堂に隠し、追ってきた婆さまをなだめて、その場を何とかやり過ごしてくれました。そして坊さまは「人を殺してしまったからには坊主になりなさい」と言い、彦べえの髪をカミソリで剃りおとしました。

その夜、彦べえは本堂に布団を敷いて眠りましたが、ふと目を覚ますとそこは竹やぶの中でした。しかも彦べえの髪の毛は全部むしりとられ、頭は血だらけになっていました。これまでの事は、全て三本枝のキツネたちの仕業だったのです。

それからというもの、彦べえは決して見栄をはったり強がりを言ったりしなくなったそうです。

(紅子 2012-11-29 5:05)


ナレーション市原悦子
出典福島の昔ばなし(三丘社刊)より
出典詳細里の語りべ聞き書き 第05巻,川内彩友美,三丘社,1989年03月10日,原題「狐に化かされた彦べえ」
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※掲載情報は 2012/11/29 5:05 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
10件表示 (全18件)
ゲスト  投稿日時 2019/7/7 19:56
狐に化かされている証明として赤子を焼くという発想につながる彦兵衛が一番怖い
ゲスト  投稿日時 2018/7/23 23:13
かみそり狐には他に話があったのでしょうか。
別のバージョンなら見ました、笑い話でした。
こちらはこんなに恐ろしい話だったのですね。
モチモチ寸  投稿日時 2018/4/17 20:36
彦兵衛が血だらけの頭を見てなんとも思わないのが逆に怖い。
アーリアジャースル  投稿日時 2017/8/3 20:58
これはもう怖さナンバーワンだわ。婆さんの変身も怖すぎるし。
ゲスト  投稿日時 2017/3/16 9:16
伊集院光さんがラジオかなんかで話していたけれどマイルドなのと2つあるんですよね
剃刀についた血をスッと拭く場面、始終顔は写されない坊様のニヤリとする口元…
どこからが狐の仕業なのか、演出もこちらの話は物凄い、怖いです
背中で背中でひゃくみっつ  投稿日時 2015/10/26 10:08
婆様のプリキュア顔負けの変身シーンと、人間離れした走り方と効果音(カタカタカタカタ)、そして段々狂ったように動き出す黒目が童心を抉るようです。
ゲスト  投稿日時 2015/10/25 14:17
10/22へ
人間の恨み怨念執念は計り知れないよ。アニメで表現したらあんなかもね。
ゲスト  投稿日時 2015/10/22 18:24
この話は福島のどのあたりの話しなんでしょう。
気になります。

あともうひとつの「かみそりぎつね」はマイルドすぎて、
とてもこれとおなじ題材とは思えないほど怖いですね。

これだけリアルに化かせるとかかなりすごい神通力をもったきつねなんでしょうね。
ゲスト  投稿日時 2015/10/22 18:15
まず、ばあ様たちが人間だったら、あんな怖くなって追っかけてこないでしょう。
さらに、坊様のあんな一言であきらめるとも思いません。
ゲスト  投稿日時 2015/9/29 19:30
いや、ふつうにキツネの仕業だったと明記されてるんだけど
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