吝嗇家(りんしょくか、ケチな人)と知られる物持ちの男は近所の人から敬遠され、仕方なく宮島参りの相棒に貧乏で知られる爺さんを誘った。
人の為に金を出すのを惜しむ男は、金がない爺さんに茶屋で団子を御馳走してやらず、爺さんの宿代を出したくないばかりに野宿し、宮島さんへの賽銭(確か一両)にも糸をつけて詣でた後に回収する程だった。
帰り道、男は小石に躓き人々に笑われてしまう。頭に来た男は小石を投げ捨てようとするが金色に輝くように見え、懐にしまった。帰路の途中、その石に再び目をやると輝きは失せ、ただの小石になっていた。「こんなもの~」と捨てようとするが爺さんに止められ、「いらんなら譲ってくれんか」と言われるが小石でも人にあげるのを惜しむ男は拒否。そのまま村まで持ち帰る。徹底したケチぶりから余計な金は一切持ち歩かないと言い、道中の旅費を一文も過不足なしに旅を終わらせたのだった。
村に帰った夜、爺さんは夢の中で観音様に「金持ちの男が持ち帰った小石を貰って磨け」と言われる。翌日、一緒に宮島参りした男の屋敷を訪ねて小石を譲ってもらい(もしかしたら、金を出して買ったのかもしれません)、夢のお告げ通りに磨くと小石は黄金の塊となった。これによって爺さんは村一番の大金持ちになる。もう一方の男は大発生した鼠に蔵を荒らされ、山のようにあった米俵を一つ残らず食い尽くされてしまった。
金持ちになった爺さんは貧しい人に金を分け与え、落ちぶれた男にも金を分けてやり、村人全員は末永く幸せに暮らしたのだった。
(投稿者: 黒田 投稿日時 2011-11-12 21:07 )
ナレーション | 未見のため不明 |
出典 | クレジット不明 |
出典詳細 | 安芸・備後の民話(垣内稔,未来社)かもしれない |
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