No.1278
うなぎざわ
鰻沢
高ヒット
放送回:0808-B  放送日:1991年08月10日(平成03年08月10日)
演出:白梅進  文芸:沖島勲  美術:阿部幸次  作画:朝倉隆
山梨県 ) 31570hit
あらすじ

昔、甲州は西八代のある村での話。この日は光勝寺の法要の日で、どの家も仕事を休み、寺に集まった後には粟の強飯(こわめし)を食べ、若者たちは鰻をとることが習わしのようになっていました。

若者達は『毒もみ』といって木の幹や根っこから毒を取ってそれを団子にして、川に投げ込むという方法で鰻を取る事にしました。

簡単な小屋を作って粟飯(あわめし)で食事を取っていると、小屋に1人の娘がやってきました。 この近くに住むという娘は、若者達に「毒もみは止めておくれ」と、いいました。驚いた男たちは、この娘に粟飯をすすめました。

おいしそうに粟飯を食べる娘を見ていると、首筋に大きな傷痕があるのを見つけました。粟飯を食べおわった娘は「そろそろ帰るね。本当に毒もみは止めておくれよ」 と念を押して帰っていきました。

しかし若者達は、娘の言葉を無視して毒もみをはじめました。 毒団子を池に投げ込むと、バシャバシャバシャという音と共に鰻が浮かんで、若者達の方に流れてきました。大喜びで鰻を取りあげていると、しばらくして巨大な鰻が浮かんで若者達の方に流れてきました。

「きっとこの沢の主じゃな!」

この大鰻を持ち帰るのはとても無理そうだったので、若者たちは早速これをさばいて一杯やることにしました。一人の男が鰻をさばいてみると、鰻の腹から粟粒がこぼれてきました。そして鰻のエラの部分を見ると、あの時の娘と同じ大きな傷がありました。男は一目散に逃げ出し、叫びを聞いた別の男達も、鰻の傷を見て慌てて逃げ出したのでした。

鰻の主が娘に化けて命乞いに来たのに、耳を貸さずに毒もみを撒いて鰻を全滅させてしまった。村人達はどんな祟りがあるやもしれぬと思い、この沢を『鰻沢』と呼んで、それ以降近づかなくなったという事です。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


参考URL(1)
http://design-archive.pref.yamanashi.jp/oldtale/2737.html
ナレーション常田富士男
出典甲州の伝説(角川書店刊)より
出典詳細甲州の伝説(日本の伝説10),土橋治重,角川書店,1976年9年10日,原題「鰻沢」
場所について鰻沢(山梨県西八代郡三珠町樋田)
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地図:鰻沢(山梨県西八代郡三珠町樋田)
追加情報
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※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2018/10/19 13:36
私もそう思いました。
匿名希望  投稿日時 2016/11/3 0:39
最近、ある自治体のふるさと納税のコマーシャルでウナコという女子高生が鰻になって川に帰る場面が問題になってたけど、むかし話の考えがルーツになっているのかな。市原悦子発言に始まり何でもおかしい、差別の風潮は如何なものかと思います。
匿名希望。  投稿日時 2014/3/21 12:44
何となく、「イワナの怪」に似てるね。
araya  投稿日時 2011/12/9 22:47
『甲州の伝説』(角川書店)によると、山梨県西八代郡三珠町樋田にある鰻沢とのことで、現在の山梨県西八代郡市川三郷町上野から芦川の南西にのびる支流に「うなぎ沢」がありますので、そちらでポインティングしています。

http://g.co/maps/mzhy9
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