トップページ >  お話データベース >  関東地方 >  埼玉県 >  上半分下半分
No.1214
うえはんぶんしたはんぶん
上半分下半分

放送回:0767-A  放送日:1990年09月22日(平成02年09月22日)
演出:森川信英  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:森川信英
埼玉県 ) 19060hit
あらすじ

埼玉県秩父に働き者の百姓一家が暮らしていました。春三月にもなると小さい畑ながらもたくさんのじゃがいもがすくすく育ちました。

ある晩のこと、家の前にずしんずしんという地響きとともに山のように大きな赤鬼が現れて、ここらへんは俺の土地に決めたと言い出しました。百姓のおっとうは震えながらも、畑を取られては家族は飢え死にしてしまうと訴えると、赤鬼は確かに死なれては後々都合が悪いから、じゃあ畑の作物を半分よこせと言います。

おっとうは思案して地面から上半分をやると約束したので、鬼はじゃがいもの葉を全部むしって食べましたが不味いだけでした。地面の下においしい実があるのを見つけましたが、約束を破れない赤鬼は悔しがって、次も来ると言い残して帰っていきました。

おっとうはまた思案すると家族で野良仕事を続け、畑に作物がたわわに実った頃にやっぱり赤鬼がやって来ました。赤鬼は今度は俺が下半分の約束だと言って畑を全部ごっそり持ち上げると土の中の根っこをむしゃむしゃと食べました。

しかし植わっていたのはアワだったのでまたもやひどく不味い思いをしたものですから、もう人間の知恵にしてやられるのはかなわんと言って山に帰ると二度と来ることはありませんでした。

(投稿者: ひかる 投稿日時 2012-1-29 10:09 )


ナレーション常田富士男
出典埼玉県
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
このお話の評価8.2000 8.20 (投票数 5) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/1/29 13:14 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 24  件):   <前  1 ..  18  19  20  21  22  23  24  次>  
コメント一覧
4件表示 (全4件)
こんはる  投稿日時 2020/10/20 17:36
鬼がこんなに土の中の根っこを食べるなんてすごく面白かった。
ゴンザ  投稿日時 2020/5/12 12:33
律儀な鬼だなー
ゲスト  投稿日時 2016/3/28 21:20
死なれては後々困るって、結構先見の明のある鬼やね。
農作物を育てる人がいなかったら横取りもできないわけだし。
無茶な年貢の取り立てをした偉いさんより道理をわかってる。
ゲスト  投稿日時 2015/11/5 12:10
約束を守る鬼さん、少し哀れを感じます。
投稿ツリー
4件表示 (全4件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

23 人のユーザが現在オンラインです。 (18 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)