寒い北国に茂作と己之吉(みのきち)という猟師の親子がいた。
猟の途中に雪が吹雪いてきて、二人は山小屋で夜を明かすことになった。二人が寝ていると、吹雪とともに女の人が小屋に入ってきて、茂作に白い息を吹きかけた。すると茂作の体はどんどん凍り付いてしまった。次に女は己之吉の所に行くと、お前はまだ若いから命だけは助けてやるが、今日のことは誰にも言ってはいけないという。
一人ものになってしまった己之吉の元にある雪の夜、一人の女が一晩の宿を求めてきた。女はお雪といい、己之吉はすっかりお雪が気に入ってしまい、嫁にとり一緒に暮らし始めた。
ある吹雪の夜、己之吉は酒によって、お雪に茂作がなくなった夜のことを話してしまった。己之吉は「あのときの女はおまえにそっくりじゃったな」と言うと、お雪は自分がその雪女だと告白し、喋られたからにはもうここにはいられないと言って姿を消してしまった。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 5:58 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第11巻-第053話(発刊日:1977年1月10日)/童音社BOX絵本_第05巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第051巻(発刊日:1980年かも)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第23巻(絵本発刊日:1985年02月15日)/講談社テレビ名作えほん第022巻(発刊日:1978年2月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「関東地方の昔ばなし」 |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「東北地方の昔ばなし」 |
講談社のデラックス版絵本より | 雪女は、雪の降る夜ひそかに現れるという、女の姿をした妖怪です。雪女に白い、冷たい息を吹きかけられると、こごえ死んでしまうといい伝えられ、恐れられています。その残酷さは、雪の冷たさ、純白の美しさと相まって、一段と増して見えるようです。この話に出てくる木こりの巳之吉(みのきち)は、雪女に助けられ、一年後、美しい嫁を迎えて幸せを手にしますが、じつはその嫁が雪女で、かつてかわした約束を破ったために、手にした幸せを一瞬にして失ってしまうのでした。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)によって広められた怪談のひとつです。(東北地方のお話) |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「青森・岩手地方の昔ばなし」 |
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