No.1167
おにのつの
鬼の角
高ヒット
放送回:0736-A  放送日:1990年02月10日(平成02年02月10日)
演出:前田康成  文芸:沖島勲  美術:前田康成  作画:前田康成
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自分の角を取り返しに来た鬼の話

昔、ある山の中に、美しい娘が猟師の父親と暮らしていました。この親子の家の近くにはきれいな池がありましたが、鬼がいるという噂があったので村人たちはあまり近づきませんでした。

ある時、娘は機織りがしたくて、父から機織り機を作ってもらいました。しかし、滑りが良く使いやすい杼(ひ、横糸を通す道具)が無いため、なかなか機織りが出来ずにいました。ある朝、池の底に杼を作るのに適した、牛の角ような形の木を見つけました。この木で作った杼はとてもすべりが良く、不思議な音を奏でるので村中で評判になりました。

ある日、娘が一人で機織りに夢中になっていると、一人の若者がやってきて、娘の杼を取り上げました。この男は池に住む鬼(牛鬼)で、杼になっている自分の折れた角を取り返しにやって来たのです。

男の正体を見破った父親が鉄砲を撃つと、男は鬼の姿になり、怪我した足を引きずりながら池に逃げ帰って行きました。

しばらくすると物寂しい夜などに、池の中から機織りの音が聞こえるようになりました。今までは怖がって近づかなかった村人たちも、池に集まり楽しく踊るようになりました。

(紅子 2011-12-16 15:36)


ナレーション市原悦子
出典及川儀右衛門(未来社刊)より
出典詳細みちのくの百姓たち(日本の民話 別4巻),及川儀右衛門,未来社,1958年05月31日,原題「ヒヤ潟と秋田の嫁」
場所について国見峠近くのヒヤ潟
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地図:国見峠近くのヒヤ潟
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※掲載情報は 2011/12/16 15:36 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2013/3/30 14:40
あわわわ、全巻読破なんてとんでもないです、東北で牛鬼なんて珍しいなと思って調べただけなので・・・・・・。
でも、お役に立てて幸いです。
出典では普通の鬼のようでちょっと残念でしたが(^_^;)

調べついでに「出口がない」の出展の手がかりになるかもしれないものを見つけましたので、そちらの方に書き込んでおきます。
araya  投稿日時 2013/3/28 3:35
「ヒヤ潟と秋田の嫁」と「ヒヤ潟」の合作で「鬼の角」とは…。タイトルが全く違うので別の話かと思っていましたが、確かに同じ話になりますね。目からウロコ。私も胸のつかえが取れて、スッキリしました(^-^)。ありがとうございます!
beniko  投稿日時 2013/3/28 0:51
そうです、これです、これでした!
実際に書籍を読んで確認してみました、おっしゃる通りヒヤ潟と秋田の嫁(みちのくの百姓たち収録)ですね!あわせて岩手の巻も読んでみましたが、雰囲気は岩手巻の方がアニメに近い印象です。
すごいなあ、きたやんさん、教えてもらってありがとうございました。
きっとこの未来社シリーズを、全巻全話読破したのでしょうね、教えてもらってありがとうございました。ものすごおくスッキリしました。
きたやん  投稿日時 2013/3/26 11:34
はじめまして。
出典元が不明ということで投稿しましたが、もうご存知でしたらすみません。
この話の出典は『日本の民話別巻 みちのくの百姓たち』収録の「ヒヤ潟と秋田の嫁」ではないでしょうか。

娘が角を入手する場所など、アニメとは明らかに違っている部分もありますが、昭和53年版『日本の民話1 津軽・岩手編』の「岩手の民話 岩手・紫波」の部にも「ヒヤ潟」という同様の話が載っており、こちらと合わせるとアニメのストーリーと大体同じになります。(お持ちの版では『日本の民話 02 岩手の民話』に相当するのでしょうか?)
「ヒヤ潟と秋田の嫁」の内容だけでは池の存在意義が薄いため、こちらから補ったのでは?などと勝手に想像しています。
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