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No.1122
とうこうざんのわらいおとこ
東光山の笑い男

放送回:0708-A  放送日:1989年07月22日(平成01年07月22日)
演出:玉井司  文芸:沖島勲  美術:玉井司  作画:大西治子
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三人の男達と怪物の笑い比べ大勝負!

昔々高知の香我美(かがみ)に東光山という山があり、そこに笑い男という笑い声を上げる怪物が住んでいた。笑い男は決まって月の1日、9日、17日に現れたので、村人達はその三日間だけは東光山に入る事を避けた。

ところが土佐藩の船奉行で樋口関太夫(かんだゆう)という侍が、狩りのため9日に東光山へ入ってしまう。これが笑い男の怒りに触れたのか笑い男は毎日東光山に現れるようになり、村人達は山仕事ができずに困り果てた。そこで村の世話役の甚左衛門(じんざえもん)は四日分の握り飯と水を用意し、屈強な二人の若者を連れて東光山へ向かった。

東光山に着くと笑い男が現れ、甚左衛門は笑い男に負けた方が勝った方の言う事を聞くという条件で笑い比べの勝負を挑み、笑い男もこれに応じた。こうして壮絶な笑い比べが始まり、両者の笑い声は山々に響き渡った。

やがて夜になると甚左衛門が疲れてきたので、若者の一人が笑い男に気付かれないよう素早く甚左衛門と交代した。甚左衛門の作戦は一人が笑っている間、他の二人が休憩して笑い男を疲れされるというものであり、三人は握り飯を食っては休み入れ替わっては笑い続けた。

しかし笑い男も負けてはおらず、更に力を入れて笑い返してくる。そうして笑い比べが三日三晩続き四日目の朝、流石の笑い男も笑い疲れ、眠たさと空腹で力が出なくなりとうとう降参した。勝負に勝った甚左衛門は笑い男に、以前と同じ1日、9日、17日以外は東光山に現れないと約束させ、自分達も二度と決まりを破らないと約束した。

その後この約束は長い間守られ、今でも高知の香我美の人達は、月のうち1日と9日と17日の三日間は決して東光山に入らないといわれている。

(投稿者: お伽切草 投稿日時 2012-11-4 23:16 )


参考URL(1)
http://fantasy.kakurezato.com/encyclopedia/waraiotoko.html
参考URL(2)
http://youkaitama.seesaa.net/article/245611737.html
ナレーション常田富士男
出典高知県
場所について東光山(地図は適当)この辺にあったらしい
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地図:東光山(地図は適当)この辺にあったらしい
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このお話の評価8.4545 8.45 (投票数 11) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/11/5 3:13 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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taneugene934  投稿日時 2021/9/28 20:07
だから彼らはもっと大きな声で笑うことができない!
吉兵衛どん  投稿日時 2021/9/27 23:52
笑い男、よく見ると手とかちっちゃくてかわいいw
猫  投稿日時 2021/3/27 12:48
お話の雰囲気が独特でとても面白いお話でした。
鬼婆や山姥などは、日本の昔話や伝承では定番の怪物ですが、笑い男はあまり聞かないですね。
それにしても、交代でやっていたとはいえ、何か笑いの種があるわけでもなしに4日間笑い続けたことには関心しました。甚左衛門さんたちのように、誰かのために諦めず挑み続けることはやはり大切ですね。
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