No.1121
もきちのねこ
茂吉の猫
高ヒット
放送回:0707-A  放送日:1989年07月15日(平成01年07月15日)
演出:辻伸一  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:辻伸一
秋田県 ) 54300hit
猫が年をとって化け猫となり、飼い主を殺そうとした話

昔、秋田の安仁町(あにまち)に茂吉というぐうたらな男が、年老いたトラ猫と住んでいた。

ある日、茂吉の所に覚えのない酒の請求がきて、「歳をとったトラが化け猫になって、酒を飲むことを覚えたのだろう」と気が付いた。酒を買いに行っていた事がばれたトラは、茂吉からキセルを投げつけられて夜の闇の中を走って逃げだした。

暗闇の中、必死に茂吉が追いかけると、化け物が集まるという原っぱに出た。そこには化け猫たちが集まり、トラが持ってくる予定の酒を待っていた。しかし、酒を持たず怪我もしているトラの姿を見て「茂吉を殺せ!」と大合唱が起こった。

それを見ていた茂吉がはっと目を覚ますと、いつのまにか自分の家だった。茂吉は、もしや昨夜の事は夢だったのか、と思いつつ、とりあえず朝飯を食おうと思って茶碗を手に取った。すると、寝ていたトラがものすごい勢いで走ってきて茂吉の飯の上を飛んだ。

茂吉は「トラがとび越えた飯を食えば茂吉は死ぬ」と、昨夜の化け猫たちが話していた事をはっきりと思い出した。茂吉が飯に手をづけずに茶わんを床に置くと、悟られた事が分かったトラはそのまま家を出ていった。

(紅子 2011-11-28 2:59)


ナレーション市原悦子
出典瀬川拓男(角川書店刊)より
出典詳細妖怪と人間(日本の民話07),瀬川拓男,角川書店,1973年4年20日,原題「茂吉の猫」,伝承地「秋田県」
場所について北秋田市阿仁小沢鉱山(地図は適当)
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地図:北秋田市阿仁小沢鉱山(地図は適当)
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※掲載情報は 2011/11/28 2:59 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2019/11/22 12:11
くろ 投稿日時 2017/9/30 4:18 さんのコメントに思わず頷いてしまいました。
どこにでもいるんですね。「えっ?」と思う行動をとる人が。
私自身かなり世話焼きなところがあるようで、子どもの頃から困っているお友だちなどを見ると
つい体が動いてしまいます。
お陰で長くいいお付き合いをしている方々もいますが、反対に競争心むき出しで、
陰になり日向になり悪意を向けられることもありました。
自分が何か知らず知らずのうちに相手に悪いことをしていたのかと悩みました。
決して、わたしが助けてやった。などと主張したりしませんし、
そのことを自分自身も忘れてしまっているのですが。
子ども時代はともかく、勤めだしてから、そういう人が多かったと思います。

「人間無常」のお話同様、動物の方が恩を弁えていると思うことが多いです。
それもあって、人と付き合うよりも動物と心を通わせる方が心が安らぎ、いつも内気なひきこもり人生でした。
カ ラ ス  投稿日時 2019/11/21 20:10
老いた孤独な男と年を経て魔性と化した猫との、深閑とした物寂しい物語。
どこからかブルースが聞こえてきそうだ・・・
ゲスト  投稿日時 2019/3/2 19:24
猫ダンス怖い…
くろ  投稿日時 2017/9/30 4:18 | 最終変更
茂吉の猫は人間社会ではよくあることだと思います。
仕事をあげた人に裏切られる。
あとから入ってきた人を助けてあげたのに、その人が上の立場になると
そうぜつに、私をいじめてきた。
飼い猫に命を救われたことはあったかも知れません。
いつもは、外ではあまりよってこなかったオス飼い猫が、その日に限って
バイクで外出しようとした私に擦り寄ってきました。
数秒後に出かけた私は、国道で前を走る自転車が右折してきた車にはねられました。もし、あの時、猫が来なければ私がなっていたように思います。
ゲスト  投稿日時 2017/2/24 3:43
化け猫がブラックすぎる
子供が見ればトラウマになるレベル
アナベル・加トー少佐  投稿日時 2017/2/12 5:36
酷い話だ。10年世話になって挙句の果てに。化け物共も「酒盛って来ないから飼い主を殺せ」とはなんとも非道だ化け物だから仕方ないといえばそれまでだが。でもうちのティーガーも化け猫でもいいから生きてて欲しかったなあ。
yassan  投稿日時 2016/11/13 19:37
ありがとうございました。地図を北秋田市阿仁小沢鉱山に訂正しました。
ゲスト  投稿日時 2016/11/11 14:27 | 最終変更
「茂吉の猫」は未来社版『秋田の民話』では、茂吉の住まいは阿仁鉱山の小沢村となっているので、現在の北秋田市阿仁小沢鉱山地区に伝わった話と考えられます。
光村図書の小学校四年の国語の教科書に取り入れられていた松谷みよ子著「茂吉のねこ」は、この伝説を元にして再編されたもので、茂吉の職業も金掘りから猟師に、飼い猫も虎猫から三毛猫、化け物も化け猫から付喪神へと変わっていますね。
真美  投稿日時 2015/11/20 12:54
この後トラはどうなったんでしょう?昔は今よりも強い霊力をもった霊能者とか
旅の坊さんがいたから悪さをしたら、即刻退治されるのでそうならないように
おとなしくしてほしいんですが…。トラの消息が気になるのは私だけでしょうか。
ゲスト  投稿日時 2015/10/26 22:01
これ昔絵本で同じような話読みました。
その絵本では、猫が他の化け物に殺せと言われたとき、それを拒否して、
「茂吉がすきだ」と断言し、他の化け物に襲われて、茂吉に助けられるという
ハッピーエンドでした。
しかし、ばけものずくしの原のシーンと、
ラストの「原っぱにはただたくさんの古道具が転がっているだけだった」
にはかなり恐怖を覚える仕様でした。
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