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No.1017
おおねいりのねるべえ
大寝いりの寝兵衛

放送回:0641-A  放送日:1988年03月19日(昭和63年03月19日)
演出:上口照人  文芸:沖島勲  美術:青木稔  作画:上口照人
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あらすじ

昔、寝ることが大好きな五兵衛(ごへえ)という男がいました。所かまわず寝入ってしまうこの男の事を、村人たちは「寝兵衛(ねるべえ)」と呼んでいました。

ある時、久ぶりに手に入れたサバで味噌煮を作ろうと、囲炉裏で調理を始めました。五兵衛はいつの間にか眠ってしまい、ハッと目をさますと囲炉裏の火は消えていました。

五兵衛は隣の家にに火種をもらおうと、暗い中外へ出ました。しかし不思議なことに、村には家が一軒もありませんでした。五兵衛がトボトボ夜道を歩いていると、やがてある長者の家にたどり着きました。

家の中では、長者の家族がオイオイと泣いていました。今夜、化け物が一人娘をさらいにやって来るそうで、五兵衛はつい「オラが退治してやる」と言ってしまいました。

五兵衛は、箱の中に入って化け物が来るのを待っていました。やがて現れた巨大な化け物を、五兵衛は持っていた大きいカマの一撃で退治しました。

これに喜んだ長者は「ぜひ一人娘の嫁になってくれ」と言い出し、五兵衛はとうとう長者の家に婿入りすることになりました。

何やらとんとん拍子で事が進み、喜んだ五兵衛が娘に抱き着くと、そこにはおいしそうなサバの味噌煮がありました。五兵衛がハッと気が付くと、そこは自分の家でした。

なんと、今までの事は全部夢で、五兵衛は三年間も眠り込んでいました。この事から、村人たちは五兵衛のことを「大寝入りの寝兵衛」と呼ぶようになりました。

(紅子 2013-10-13 1:44)


ナレーション市原悦子
出典武藤鉄城「角館昔話集」より
出典詳細角館昔話集(全国昔話資料集成 第12巻),武藤鉄城,岩崎美術社,1975年04月15日,原題「大寝入りの寝兵衛」
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※掲載情報は 2013/10/13 1:44 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
4件表示 (全4件)
カケス  投稿日時 2020/8/1 18:04
寝兵衛の状態は、ナルコレプシー(過眠症)の典型的な症状ですね。
寝兵衛は実在し、それを当時の医学の知識もない人々が笑っていたというものではないかと推察いたします。
昔ばなしって、子供を喜ばせるために面白おかしく伝えらえれているものが多いですが、このお話でも当の寝兵衛は実は野良仕事にも支障が出るほどに眠気が出てしまい、苦しかったんだろうなと思ってしまいます。子供のころは単なる「変な人」と思って笑ってみていたお話も、大人になって少々冷めた目?で見てみると、このような夢のないことを思ってしまいました。

ちなみに寝兵衛は不思議な夢を見ていますが、睡眠薬を飲むとその時の体調によっては奇妙な夢を見たり、お化けが出てくるような怖い夢を見たりする副作用が出るそうです。この点も興味深いですね。
ゲスト  投稿日時 2016/2/28 12:23
サバ、傷んでないの?
ゲスト  投稿日時 2014/7/15 21:16
まさかの夢オチw
ゲスト  投稿日時 2011/10/25 22:15
まるで中学生の男子が授業中に見る夢・妄想だな。
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