No.1001
ぬけないゆび
ぬけない指

放送回:正月特番  放送日:1988年01月02日(昭和63年01月02日)
演出:白梅進  文芸:沖島勲  美術:阿部幸次  作画:白梅進
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あらすじ

昔ある町に、あこぎな商売で儲けている瀬戸物屋の男がいました。

ある時、店にやって来た爺さんが、商品のお神酒徳利(おみきどっくり)に指を突っ込んだまま、どうしても抜けなくなりました。瀬戸物屋の男は、爺さんが三百文という大金を持っている事を知ると「もう徳利を買うしかないね」と、三百文という高額な値段で売りつけました。

爺さんは、せっかく町でニワトリを買おうと思って買い物に来たのに、全財産を瀬戸物屋の男にとられてしまいました。爺さんは徳利を持って、しょんぼりして自宅へ帰っていきました。

瀬戸物屋の男は「爺さんがどんな顔して家に帰るのか」と、こっそり後をつけて行きました。爺さんの家の中は薄暗くて、外からは家の中の様子が見えませんでした。そこで瀬戸物屋の男は、格子窓からむりやり頭を突っ込んで、家の中を覗き込みました。

そのうち、爺さんの指は徳利からすこんと抜けました。すると今度は、瀬戸物屋の男の頭が格子窓から抜けなくなりました。手足をジタバタさせてもどうしても抜けず、瀬戸物屋の男は焦りました。

瀬戸物屋の男は「どうやっても抜けないから、格子窓の柵を切ってくれ」と、爺さんに頼みました。すると爺さんは「ほんなら修理代として三百文もらっとこうか」と、瀬戸物屋の男をやりこめました。

爺さんは、三百文も返ってきたうえに、神棚には新品のお神酒徳利が並びました。これに懲りた瀬戸物屋の男も、それからは正直に商売をしたそうです。

(紅子 2013-9-24 0:14)


ナレーション常田富士男
出典浜口一夫(未来社刊)より
出典詳細佐渡の民話 第二集(日本の民話69),浜口一夫,未来社,1978年08月25日,原題「ぬけない指」,採録地「相川町小野見」,話者「斎藤クニ」
場所について相川町小野見(現在の佐渡市小野見)
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地図:相川町小野見(現在の佐渡市小野見)
追加情報
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※掲載情報は 2013/9/24 0:14 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2015/1/10 19:13
格子窓の修理分を損しとるが…
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