No.0892
たいのおんがえし
鯛の恩返し
高ヒット
放送回:0561-B  放送日:1986年08月16日(昭和61年08月16日)
演出:大竹伸一  文芸:沖島勲  美術:小出英男  作画:塚田洋子
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あらすじ

昔、ある浜辺に貧しい漁師の夫婦が暮らしていた。亭主は欲のない性分だったが、女房は家が貧しいのは亭主のせいだと毎日こぼしていた。

ある日、亭主が釣り糸を垂れていると、今まで見たこともないような見事な鯛がかかった。喜んだ亭主だったが、突然その鯛が「海に帰してくれたら何でも言うことを聞くから」と言って泣きわめいた。亭主は鯛が可哀想になって、願い事もせずに鯛を放してやった。

このことを聞いた女房は、明日もう一度その鯛を釣りあげて、いい家を建ててもらうようお願いして来いと亭主に詰め寄った。しかたなく亭主が翌日海に行くと、昨日の鯛が顔を出したので、亭主は鯛に願い事を話した。そして亭主が家に帰ると、なんとも立派な屋敷が建っていた。

女房は気が狂わんばかりに喜んでいたが、女房はもっともっと立派な家を建ててもらうように頼んでこいと言い始めた。翌日、亭主はもう一度鯛にお願いして、御殿のような家を建てなおしてもらった。貧しかった夫婦は、鯛のおかげであっという間に大金持ちになった。

その日の昼下がり、夏も盛りだったので、毎日お天道さんがカッカと照りつけていた。女房は暑くてたまらなくなり、今度はお天道さんを自分の意のままに操れるようにしてもらいたいと言いだした。

流石にその願いは亭主も止めたが、怒鳴り散らす女房に押し切られ、またも鯛の元へと赴いた。この願いを聞いた鯛は、「もとん家はいれ、もとん家はいれ」と唱えると、海中に潜っていってしまった。亭主は鯛の言ったことが気になったが、その晩はいつの間にか寝入ってしまった。

翌日、亭主が目を覚ますと、あれほど立派だった家が一夜にして元のボロ家に戻っていた。女房は泣きわめいたが、亭主はきっと鯛が怒ったのだと言って女房を諭した。その後、亭主は何度か海へと足を運んだが、もう二度と鯛の姿を見ることはなかった。

(kokakutyou 投稿日時 2012-10-25 22:57)


参考URL(1)
http://www.saga-shima-show.jp/kakara/
ナレーション常田富士男
出典宮地武彦(未来社刊)より
出典詳細佐賀の民話 第一集(日本の民話60),宮地武彦,未来社,1976年06月30日,原題「鯛の恩返し」,採録地「東松浦郡鎮西町加唐島」,話者「西村ハル」
場所について佐賀の加唐島(地図は適当)
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地図:佐賀の加唐島(地図は適当)
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※掲載情報は 2012/10/25 23:54 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
7件表示 (全7件)
光戦隊マスクマン(やめろ!やめるんだ!)  投稿日時 2022/1/14 17:40
マンガ日本昔話(1976年版)(うどん好きの虫、タイの恩返し)
(1987年4月18日(土)放送)(第595話)
グーニーズ2フラッテリー最後の挑戦
エスパードリーム
グリーンベレー(ファミコン版)
愛戦士ニコル
光戦隊マスクマン(やめろ!やめるんだ!)  投稿日時 2022/1/6 19:30
マンガ日本昔話(1976年版)(うどん好きの虫、タイの恩返し)
(1987年4月18日(土)放送)(第595話)
グーニーズ2フラッテリー最後の挑戦
エスパードリーム
グリーンベレー(ファミコン版)
愛戦士ニコル
Perenna  投稿日時 2020/9/22 23:25
この昔話と同じ話は、未来社の「越後の民話・第二集」にも収録されています。
「漁師とその妻」(南蒲原郡栄村浦新田)という題名です。
グリム童話の「漁師とおかみさん」については、大正14年に出版された「こどもグリム」という本にも「漁師トソノ妻」という題名で掲載されています。(コマ番号23/111)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1716254/23

おそらく佐賀県や新潟県にお住いの話者のお年寄りが、子供のころにグリム童話を読んで記憶していた話を、民話採録者の人に話したのではないでしょうか?
愛善院  投稿日時 2016/8/11 1:07
グリム童話ならば「漁師とおかみさん」がほぼ同じ話系、ほかにも北欧にいくつか見られる。佐賀民話として成立したのはいつでしょうね。
匿名希望  投稿日時 2016/7/25 11:06
これって、ロシアの民話でも似たような話があったよ!
beniko  投稿日時 2012/10/25 23:59
鯛の唱えた「もとん家はいれ」は「元の家に入れ」です、九州人ならわかると思いますが方言です。入れという表現がちょっとつかみにくいですが、雰囲気としては「元の家に戻れ」という感じでしょうか。
araya  投稿日時 2011/12/4 14:26
『佐賀の民話』(宮地武彦,未来社)に「東松浦郡鎮西町加唐島」の採録とありましたので、現在の佐賀県唐津市鎮西町加唐島の話となります。ポインティングは島の玄関口にあたる漁港にしています。

http://g.co/maps/vpb3e

島の紹介サイト http://www.saga-shima-show.jp/kakara/
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