昔、三重県の赤目という所にお地蔵さんがあり、その近くには仲の良い夫婦が営む茶店がありました。
ある日、見知らぬ男が夫婦のところへお風呂を借りにやってきました。翌日もまた翌日も、この男は裸でやってきて、夫婦のお風呂を借りて上機嫌で帰っていきました。
ある時、夫婦が、毎日やってくる見知らぬ人のために着物と食事を用意して待っていると、道端のお地蔵さんがすっと動きだして風呂を借りにやってきました。
この話はたちまち村中に広がり、村人たちはお地蔵さんの周りを取り囲み、動きだすのを今か今かと待っていました。ところがこの日は、お地蔵さんはピクリとも動かず、もう二度とお風呂を借りに来る事はなくなりました。
こんな事があってから、茶店では良い事ばかり続くようになりました。以前に家を飛び出していった息子が嫁を連れて帰ってきました。そして、健康と孫に恵まれ、家族みんなで仲良く幸せに暮らす事ができました。
これもお地蔵さんのおかげだと、お地蔵さんを「福寿延命縁結び地蔵」と名付けて、末永く大切にしたそうです。
(紅子 2012-4-10 21:50)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 三重県 |
場所について | 福寿延命縁結び地蔵(丈六寺) |
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