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No.1154
どうもこうも
どうもこうも

放送回:0729-A  放送日:1989年12月16日(平成01年12月16日)
演出:白梅進  文芸:沖島勲  美術:青木稔  作画:白梅進
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あらすじ

昔、信州にドウモという医者がいて、甲州にはコウモという医者がいました。どちらも外科を専門とする名医で、特に自分が作る傷薬には絶対の自信を持っていました。そこで、お互い手紙のやり取りをして、腕比べをすることになりました。

この話は周辺にも広まり、大勢の見物人があつまりました。皆が見守る中、二人はこれまでの治療実績を披露していましたが、なかなか勝敗がつきません。そこで、自分たちの作った傷薬の効果を、実際に試すことにしました。

ドウモとコウモはお互いの刀を抜き、互いの胴体をすっぱり二つに切り離しました。見物人たちは、二人に言われた通りに傷薬を付けて、切れた体を貼りあわせました。なにせ見物人たちは素人なので、四苦八苦しながら体をくっつけました。

しかし、ドウモが水を飲めば傷口から水が漏れたり、コウモがくしゃみをすれば接合部分がズレたりしました。二人は、傷を縫い合わせしてなかった事を思い出し、慌てて傷口を糸で縫いました。無事に縫合を済ませると、今日のところは引き分けとし、二人とも高笑いしながら帰って行きました。

その後、地元に戻った二人は医者としてますます活躍し、もちろん傷口も化膿することも無く、死ぬまでどうもこうもなかったそうです。

(紅子 2012-5-14 23:26)


ナレーション市原悦子
出典土橋里木「続甲斐昔話集」より
出典詳細続 甲斐昔話集(諸国叢書),土橋里木,郷土研究社,1936年10月20日,原題「ドーモーコーモー」,話者「橘田儀三郎」
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※掲載情報は 2012/5/14 23:26 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2017/9/30 23:55
「最初は交互に斬り合ってはくっつけてたけど、二人共腕が良くて勝負が付かない
そこでお互いが同時に首を刎ねてくっつけようという話になったが、同時に首を刎ねちゃったものだから接げられずに死んでしまった
そこから手の施しようがない、どうしょうもない事を「どうもこうもない」
そこから転じて二つの首がある妖怪がいる

という話なら聞いたことがあるけども、お互いが生きている話は初めて知りました
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