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昔、新潟県能生(のう)の小泊(こどまり)という所に治助という漁師が住んでいた。小泊の人達は昔から半農半漁の生活であり、その日治助は朝早くから稲刈りに精を出し、昼過ぎには仲間達...
昔、越後の東頸城(ひがしくびき)の菱ヶ岳(ひしがたけ)のふもとに、髭の長者という老夫婦が住んでいました。この老夫婦は大金持ちでしたが子供がいなかったため、いつも寂しく暮...
昔、ある村にこんな言い伝えがあった。林を抜けた一本道の先に深い谷があり、その向こうに三つの山がある。そして、その三つの山を越えれば宝の山があるのだと。しかし、今まで宝の...
昔、越後国高田の町外れの子安という村に働き者の老夫婦が住んでいた。二人はもう年であったがいくら働いても貧乏暮らしで、正月も14日を過ぎたのに餅一つ食えない有様であった。そ...
昔々、ある村里へと続く道を、ちゅう次郎という名の仲人好きの一匹のねずみが歩いていました。ちゅう次郎は、ある百姓屋に住むねずみの家をたずねるところだったのです。ねずみの家...
昔、佐渡の国府川は長雨で水嵩が増していた。その川のほとりに権七という気の優しいおじいさんが住んでいた。ある日のこと、権七は薪が残り少なくなったので国府川へ出かけた。権七...
昔ある所に、爺さんと婆さんがいて、久しぶりにぼた餅を作って食べようとしていました。二つ作ったぼた餅の餡子(あんこ)の量は、ちょっとばかり婆さんの方が多かったので、二人は...
昔、越後の海に鯨の夫婦が暮らしていた。女房クジラのお腹には子供を身籠っていて、旦那クジラも子供が産まれるのを楽しみにしていた。ところが、越後の海に恐ろしいシャチがやって...
昔、あるところに夫婦そろってのんき者で眠り好きな、お爺さんとお婆さんが住んでいた。ふたりは若いころは村でも評判の働き者だったが、年取ってからは一日中、所構わず眠ってばか...
昔、新潟県の山奥の大井平(おおいだいら)というところに、人をだまして悪さをするキツネたちがいた。そしてその近くにはお寺があり、たいそう頭のいい小坊主さんが住んでいた。あ...
昔、ある山で桜が満開になった。そこへトンビとスズメとハトとカラスがやってきて、みんなで花見をすることになった。トンビは魚を取り、スズメは町へ酒を買いに、ハトは料理をし、...
昔あるところに、よく働く亭主とものすごい怠け者の女房がいました。亭主が一日中せっせと働いている間、女房はゴロゴロ昼寝ばかりしていました。夏祭りが近づいてきたある日、女房...
むかしむかし、佐渡のある村に働き者の爺やんがおった。爺やんは誰よりも遅くまで働き、夜空に月が昇る頃にやっと畑仕事を終えて家に帰るのじゃった。爺やんは家に帰ってからも町で...
昔ある町に、あこぎな商売で儲けている瀬戸物屋の男がいました。ある時、店にやって来た爺さんが、商品のお神酒徳利(おみきどっくり)に指を突っ込んだまま、どうしても抜けなくな...
むかし、越後のある村に、爺さんと婆さんの夫婦が二組隣り合って住んでおった。吉兵衛爺さんは心の優しい爺さんで夫婦そろって働き者、隣の勘助爺さんは欲張りで夫婦そろって怠け者...
昔、ある所に長者と貧乏人が、垣根を挟んで隣り合わせに住んでいました。長者はとても欲深で、いつも隣の貧乏人を見下していました。貧乏人の家には、大きな桜の木があって、毎年見...
昔、越後のある村に、だほ者(怠け者)の作治という男が母親と一緒に暮らしていました。作治は、働くどころか体を動かすことも面倒くさがり、飯を食うのも母親に口まで運んでもらう...
昔あるところに3人の若者がおった。一人はいつも鼻水を垂らして鼻をこすっている「鼻ったれ」、もう一人はいつも目やにが出ていて目をこすっている「目病み」、そして最後はいつも...
昔ある所に、独り者の若い馬子(馬方)が住んでいました。馬子は、馬に食べさせる草を刈るために、毎朝いい声で歌いながら山道を行き来していました。ある秋の夜、若い女が馬子の家...
昔、佐渡の黒姫という所に、勘右衛門という長者がいました。ある年の節分の夜に、「福は内、鬼は外」と大声を張り上げて家のあちこちで豆をまいておりました。すると、いきなり台所...
むかし、北の海辺の村に、一人の刀鍛冶の爺がいた。爺には一人の娘がいた。色の白い気立てのいい娘だったので婿のなり手もずいぶんと有ったが、なかなか決まらなかった。それという...
昔、新潟県名立村の平谷に神社があった。村の子供たちは毎日、神社の境内で楽しく遊んでおった。ある日のこと、村の子供たちはかくれんぼをしていて、鬼になった権太がかくれている...
昔、新潟は十日町のはずれに大変優しい庄屋様が住んでいました。庄屋様は鶏と猫を飼っていました。鶏には「おまえが毎日、時を告げてくれるから、みんなが寝坊しなくて済む。」と感...
昔、佐渡の大崎村に甚兵衛さんという貧乏な炭焼きが、おカカと二人で暮らしていました。ある年の秋の事、甚兵衛さんが小木(おぎ)の港の問屋まで炭を売りに出かけました。その日は...
越後の民話 第一集(未来社,1957年10月10日)に、同タイトル名のお話があり「このお話かもしれない」ということであらすじを書いてみます。昔ある所に、正直者の爺さまと婆さまがいま...
むかしむかし、ある村に貧乏だが仲の良い夫婦が住んでおりました。ある日、女房は山へ山菜を採りに出かけ、山奥の黒池の近くまで来てしまいました。すると突然風が吹いてきて、池の...
むかしむかし、佐渡の岬に一羽の鷹が棲んでおりました。他の鳥達は口々に鷹の姿形や大きさを褒めそやし、「片羽千里」の翼と呼んでおりました。これだけ褒められて、鷹はすっかり天...
昔、ある国では、年寄りを山に捨てさせる掟があった。なんでも、年寄りは国の役に立たないという理由で、皆六十一歳で山に行くことになっていた。そんな国の片田舎に、おっかあと息...
むかしむかし、ある所にお爺さんとお婆さんが暮らしておった。二人の畑が狸にひどく荒らされるので、お爺さんは切り株に「とりもち」を塗って狸を捕まえた。そうして、狸を懲らしめ...
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