No.1420
みっつのやま
三つの山

放送回:0903-A  放送日:1993年09月11日(平成05年09月11日)
演出:こはなわためお  文芸:沖島勲  美術:古宮陽子  作画:こはなわためお
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あらすじ

昔、ある村にこんな言い伝えがあった。林を抜けた一本道の先に深い谷があり、その向こうに三つの山がある。そして、その三つの山を越えれば宝の山があるのだと。しかし、今まで宝の山を目指して帰って来た者は、誰一人としていなかった。

この話を古老から聞いた清六(せいろく)という若者が、贅沢(ぜいたく)な暮らしを夢見て宝の山へと向かった。すると、一つ目の山の入り口で見慣れぬ老人に出会う。老人は清六に、宝の山に行きたくば、決して後ろを振り返ってはいけないと忠告する。

清六は険しい山道を登り、一番目の山の頂上に立つ。すると突然目の前に火の手が上がり、辺りは山火事になった。清六は、逃げようと思わず後ろを振り返ってしまった。すると清六の体は石になってしまい、谷底に落ちていった。

次は良助という若者が宝の山に挑んだ。良助は山火事の中、火を笠で防ぎ、なんとか二番目の山の上までやって来た。ところがこの先は針の原が広がっている。良助がどうしたものかと思案している所に、大蛇が襲いかかって来る。ここで良助も恐ろしさのあまり後ろを振り向いて、石になってしまう。

さて、ここに一郎太(いちろうた)という若者がいた。一郎太は、わずかばかりの畑を耕し、食べる物にも事欠く暮らしだった。そこで一郎太は、村を捨てる覚悟で宝の山に挑む決心をした。

一郎太も一番目の山を越え、二番目の山の上にやって来た。ここで一郎太は、襲いかかる大蛇を鍬(くわ)で倒した。すると大蛇は針の原の上に倒れ、大蛇の死体は三番目の山へと続く道となった。

三番目の山の上では巨大な虎が現れ、一郎太の行く手をふさいだ。しかし、さすがにこの虎には全く歯がたたない。そこで一郎太は、一か八か虎の口の中に飛び込んでみた。すると不思議なことに、虎の体の中には、なんとも美しい山里が広がっていた。

山里には山の入り口で出会った老人がおり、見事三つの山を越えた一郎太の望みを叶えると言う。そこで一郎太は、ずっとここで暮すことを望み、その後この豊かな山里で一生幸せに暮らしたということだ。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2012-12-24 19:00)


ナレーション市原悦子
出典新潟県
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※掲載情報は 2012/12/24 19:00 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
5件表示 (全5件)
ゲスト  投稿日時 2018/7/7 13:55
小学校の授業で観たお話で、ずっとタイトルが思い出せなくて
いろいろググったらここにたどり着いた。

三番目の青年、一朗太が火の山を越えた瞬間チラッと後ろを見ていたのは
はっきり覚えている。
ゲスト  投稿日時 2016/12/17 22:16
結局誰も戻ってこないんですね
ゲスト  投稿日時 2015/7/1 14:34
糸魚川市根知谷地区には根小屋城・栗山城・上城山城の三つの山城が存在しており、この三城を総称して 「根知城」と呼んでいます。
所在地:糸魚川市根小屋字城山ほか
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B9%E7%9F%A5%E5%9F%8E
ゲスト  投稿日時 2015/7/1 13:39
三つの山(根知地区)
「三つの山」このお話、TBS系まんが日本昔ばなしに採用され、全国放映されました。それはこんなお話です。
昔々のことある村に昔からのいい伝えがありましたとさ。林にそった道をまっすぐ行くと深い谷があってまばゆいばかりの宝の山があるという言い伝えでした。
しかし「宝の山をめざして帰ってきた者はだーれもいないんだぜ」と村の年寄がいいます。「宝の山とはどんなところだろう」村の年寄も若者も創造をふくらませます。でも年寄は山を三つものぼるのはムリ。若者は行ってみたいと夢をふくらませます。そして一人若者が三つの山をめざします。深い谷をこえるとあごひげの長い年寄じいさがいて「いいか どんなことがあっても後ろを振り向いちゃならん」と教えます。
若者はひとつ目の山を登りさあて二つ目の山を登ろうとしていると突然山火事がおこります。若者はあっと声を上げ後ろを振り向いて行ってしまいます。二人目、三人目 三つの山をめざす若者の運命はいかに・・・

糸魚川の民話 【新潟県糸魚川・西頸城】
新潟県西頸城・糸魚川地方の民話を語り伝えている中村栄美子さん
http://minwadayo.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/20091-59da.html
もみじ  投稿日時 2012/12/26 0:50
このお話、なんとなく死者が極楽へ行くための道筋を物語にした、って感じがします。

山や深い谷ってのは異界・冥界への入口とされていた傾向があります。
そして、その前に警告した老人は、仙人もしくは閻魔様。
試練の炎の山や針の野原なんかは、灼熱地獄や針地獄といったものが地獄の責めにはありますよね。
「振り返ってはいけない」「声を出してはいけない」といったものは、冥界・異界から帰る条件としてはお約束です。(例:千と千尋の神隠し・オルフェイスの竪琴)

虎の口にはいると豊かな山里ってのは、虎穴にいらずんば虎子を得ずってことかな?(・ω・)?

古今東西、物語には「3」という数字がよく出てきて、
いずれも三番目が重要であるという展開になっているそうです。

それを、全面に押し出したような話だなと思いました(・ω・)


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