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No.0729
かたひたのわらじ
片ひたのわらじ
高ヒット
放送回:0458-A  放送日:1984年08月25日(昭和59年08月25日)
演出:大竹伸一  文芸:沖島勲  美術:大竹伸一  作画:大竹伸一
山形県 ) 35322hit
あらすじ

昔ある所に一人の馬方が住んでいた。ある日遠くまで仕事に行って帰りが遅くなり、次の日に履くため用のわらじを作っていたのだが、とても眠かったので片方(片ひた)だけ作って寝てしまった。

次の日、片方だけのわらじを置いて仕事に出掛け、その帰り道。峠を歩いていると後ろの方から 「おい、うまかた~…待ってろ、そこで待ってろ~…」という気味の悪い声が聞こえてきた。 馬方が振り返って見ると、後ろの方から得体の知れない化け物が追って来た。馬方は肝をつぶして逃げ出した。

そしてある一軒の家を見付け逃げ込んだが、家の人は留守らしく誰もいない。 焦った馬方は天井の梁の上に登って隠れた。するとほどなくしてあの化け物が家の中まで入ってきた。だが化け物は梁の上の馬方を見つけられず、囲炉裏に火をつけて座りこんだ。

化け物は腹が減ったのか、そばにあった餅を焼き始めた。馬方が上からふと見ると、化け物は囲炉裏の前で居眠りをしている。それを見た馬方は屋根のかやを一本引き抜くと、上から餅を刺して釣り上げ食べてしまった。

やがて化け物は目覚めたが、囲炉裏の餅が無いので、米びつの中に入るとふたをして米を食べ始めた。しばらくして米びつの中からいびきが聞こえてきたので、馬方は梁から降りると、お湯を沸かし、キリで米びつのふたに穴を空けるとそこから熱湯を流し込んだ。いきなり熱湯を流し込まれた化け物は米びつの中で暴れていたがやがて静かになった。

そして馬方がそっとふたを開けてみると、そこには昨日の夜自分が作った片ひたのわらじがあった。 片方しかた作らなかったわらじが怒って化けて出たのだった。それ以来、履物は片方だけ作って放っておくと化けて出ると言われ、必ず二つ作って一足とするようになった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション常田富士男
出典澤渡吉彦(未来社刊)より
出典詳細出羽の民話(日本の民話06),澤渡吉彦,未来社,1958年04月20日,原題「片ひたのわらじ」,採録地「南村山郡」,話者「江口文四郎」
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追加情報
このお話の評価9.0000 9.00 (投票数 19) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/7/24 21:36 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
8件表示 (全8件)
ゲスト  投稿日時 2022/2/10 7:41
最初は怖いが慣れると可愛い…かもしれない
とりあえずブロリーにしときゃこれはカオス
ゲスト  投稿日時 2020/9/5 22:40
ブロじろうの人がブロリーMADで使ってた元ネタはこれだったのかwww
立夏  投稿日時 2019/10/12 18:26
初めまして。まん昔が大好きで、最近こちらの素敵サイトを発見して以来ずっと、
あらすじを読んでは気になったお話の映像を探して視聴するを繰り返しています。
私は幼い頃から昔話や民話というものが大好きで、図書館で色々な昔話や民話の
本を借りて読んでいました。特にまん昔は、市原さんと常田さんの語りが大好き
で、幼い頃よく見ていました。
EDの人間っていいなを替え歌して笑っていたのは懐かしい思い出です。

その頃は確か、土曜か日曜の朝や夕方等にやっていたと思うのですが、アナログ
人間で当時小学生だった私は碌に使いこなせず(レンタルビデオを再生するくらい
は出来ましたが、録画はよう出来ませんでした)、殆どリアタイで見ていたので、
残念ながら、他のお話は記憶が曖昧でございます。。。
しかし、この『片ひたのわらじ』だけは断片的にですが覚えています。
化け物のビジュアルが、インパクトが強烈だったので。。。(苦笑)
墨を流したような真っ暗な夜の山道、馬方の特徴的な顔形、闇夜に響く不気味な
『馬方ぁ〜!そこで待ってろ〜!』という化け物の声と恐ろしい相貌…化け物の
顔がアップで出た瞬間、怖くなって思わずテレビを消してしまいました。
その後、恐る恐るテレビを点けたらもう終わっていて、その後、視聴する時間の
都合が合わぬまま、番組自体がいつの間にやら終了していました。
今となっては遅すぎますが、親にやり方聞いてビデオ録画しておけば良かったな
と悔しく思っています。

まん昔をまた見たいな、いつか再放送して欲しいなと思っていたので、こちらの
サイトに出会えたのは嬉しい限りです。怖かったこの話も見つけられ、あらすじを
読み、そういう話だったのかとスッキリしました。ありがとうございました。
このお話は山形県のお話ということですが、東北は昔話の宝庫ですね!遠野物語も
岩手ですし。余談ですが、私『マヨイガ』や『かっぱの淵』などが好きで最近書店
で岩手の民話の本を買いました。
昔話や民話は時代を超えても色褪せないものなんですね。文献や映像などが残って
いるのは本当に嬉しいです。これからも後世に語り継いでもらいたいものです。

話が逸れましたが、『片ひたの履物は化けて出る』この話で初めて知りました。
種類は違うかもしれませんが、粗末にされた下駄が『カラリンコロリンカンコロリン、まなぐ(眼)三つに歯が二枚』と歌いながら化けて出る話もありますし、粗末に
された古道具たちが化けて出る話もあります。昼間の労働で疲れていたとはいえ、
相棒が作られぬまま放置されていたが為に今回、草鞋が化けて出た訳ですし、履物
でも何でも粗末にしちゃいけないなと、物は大事にしないといけないなと考えさせ
られたお話でした。このお話に出てくる化け物も、付喪神の一種なのかな。
滅茶苦茶、恐ろしい顔だったけど。。。

長くなりましたが、最後にこのような素敵なサイトを作ってくださったbeniko様、
あらすじの調査などに尽力されているaraya様、yassan様、もみじ様、マルコ様
や皆々様に感謝の気持ちをお伝えしたいです。
これからも活動、調査、運営等々頑張ってください!^^

超長文、大変失礼いたしました。
ゲスト  投稿日時 2018/4/19 9:21
最近、ドラゴンボールのブロリーを使ったおもしろ動画がありましたが、元ネタはこれでしたか。

らるむ  投稿日時 2016/3/3 11:34
子どもが大好きでYouTubeでいつも見ていたのでDVDを購入しようと思ったのに、販売されているものの中に挿入されていないようで、とてもショックを受けてました。1つのDVDにもっとたくさん話を入れて販売して欲しかったです。
ゆうる  投稿日時 2016/2/25 21:21
小学生の頃、弟とこのお話を観て、物凄く怖かったのを覚えています。40代になった今でもトラウマです。
beniko  投稿日時 2011/7/24 21:38 | 最終変更
本当ですね、似てますね。引用先のページを再確認しまして、マニアックさんの書いた補足に似た内容で差し替えました。それと同時に、類似のお話として掲載いたします。
紅子が最初から確認しとけばよかったですね、お手数掛けました、ありがとうございました。
マニアック  投稿日時 2011/7/24 20:39
補足しますと、主人公の男は、馬方で夜の帰り道で、化け物に「馬方待て~」と追いかけられ、馬方は小屋に逃げ込みます。しかし化け物も小屋に入ったため、馬方は天井裏に隠れました。そのあと化け物は、囲炉裏で餅を焼いたり、甘酒を煮たりして、天井裏の馬方は、それを取って食べたりしました。最後に化け物は、木の箱に入り、寝始めたので、馬方は箱にふたをして、キリで穴をあけて、そこから熱湯を注ぎ込んで、化け物を退治します。化け物の正体は、片ひたのわらじでした。  ということで、このシーンは、「牛方と山んば」と「さば売りと山姥」に共通しています。
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