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No.0678
とんびとからす
とんびとカラス
高ヒット
放送回:0425-A  放送日:1984年01月07日(昭和59年01月07日)
演出:前田康成  文芸:沖島勲  美術:古宇田由紀子  作画:前田康成
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あらすじ

むかしずっとむかし、世の中に住んでいる鳥たちは、みんな真っ白じゃった。

田植えの時等には、村中の鳥たちが総出で手伝うのじゃが、なにしろみんな真っ白じゃったから、小さい子供の鳥は見分けがつきにくく、親鳥が自分の子供を間違えて家に連れて帰ってしまうことが多かったんじゃと。そうして、こういう時に必ず遅れてくるのが《カラスどん》じゃったそうな。

一方《トンビどん》は、そんな様子を見て何とかならんものかと考え、それぞれの鳥に色をつけることを思いついた。そうして、まず自分の羽を茶色に染め、染物屋を始めたのじゃった。

鳥たちは先を争って染物屋に並び、思い思いに好きな色で自分の体を染めてもらった。村は大騒ぎ、トンビどんは大忙しじゃった。ところが、寝坊助のカラスどんは、なかなかこの騒ぎに気付かなかったそうな。

その日染物屋の列は真夜中まで続き、朝から染め続けたトンビどんはヘトヘトに疲れておった。列の最後の方に並んでいたツルどんは、トンビどんに気を使って、羽の先をちょこっと染めてもらうだけにしたそうな。

そうして一番最後にカラスどんがやってきた。カラスどんは、派手に、丹念にと、たくさん注文をつけるので、トンビどんも大変な手間をかけて染め、とうとう朝になってしもうた。トンビどんはもうクタクタで、最後に黒の染め汁を入れた桶を運んでいる時に、うっかり転んでしもうた。桶の中の染め汁は、カラスどんに頭からザンブリとかかってしもうた。カラスどんは真っ黒に染め上がった。

『この阿呆~!』とカラスどんは怒ってトンビどんを追いかけまわし、トンビどんが一生懸命謝っても許してくれなかったそうな。それからというもの、カラスはトンビを見るたび食ってかかるようになったそうな。そんな訳で今でも、トンビはカラスを見ると争わないで逃げてしまうんじゃと。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2012-6-2 11:41 )


ナレーション市原悦子
出典宮城県
DVD情報DVD-BOX第4集(DVD第16巻)
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追加情報
本の情報講談社テレビ名作えほん第062巻(発刊日:1986年10月)
講談社の300より書籍によると「宮城県のお話」
このお話の評価9.0000 9.00 (投票数 9) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/6/2 12:20 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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Perenna  投稿日時 2020/9/14 22:59
この昔話と似たような話が、未来社の「佐渡の民話・第二集」にも収録されています。
「カラスとトンビ」という題名です。
「むかしがあったとさ。
おらとこでは、カラスもトンビも、クソトンビちゅうとるが、むかしは、カラスもトンビも人間同志であったんだそうな。
ほうして、トンビは、染めもん屋をしとったんだそうな。そこへカラスが
「美しいきもんを染めてくれ」
ちゅうて、やってきた。
ほうしたら、トンビは、めんどうくさがって、黒一色に染めて、しらん顔しとったそうな。
ほうしたもんだし、カラスは、まっ黒なカラス勘左エ門になって、ほかの鳥にばかにされるようになって、それをうらんで、いまでも、カラスはトンビを見つけると、腹をたてて、追いかけるんだそうな。
それで、いっちょうはんじょうさけた。」

話者は畑野町宮川にお住まいの方で、昭和51年に採集されたと書かれています。
アニメのもとになった話は、宮城県のどの地域に伝わる昔話なのでしょうか?
新・アーリアジャスール  投稿日時 2018/11/23 9:06
鳥たちの花見とは真逆の展開ですね。それにしても鳶のお爺さん、なんでほかの鳥たちに手伝わせようと考えつかなかったんだ?は
ゲスト  投稿日時 2016/12/31 5:07
すげー納得した話!
とんびにちょっかい出してるカラス見ると、ああ・・・まだこの事根に持ってるんだなぁ・・・とw
ゲスト  投稿日時 2015/10/9 1:01
単純に楽しめるよく出来たはなし。面白かった。
ゲスト  投稿日時 2015/9/28 19:47
昔、若いカラスが集団で一羽のとんびをいじめまくってるのをよく見ました
とんびの後ろにピッタリ張り付いてしつこく追い回し、尾羽根やら背中やらを突っつきまくり、
とんびはもう勘弁してくれとばかりにピィヨロピィヨロ短く鋭く鳴いてて可哀想でしたねえ…
ちなみに地上ではなく、空中での出来事です。本当にカラスはなまじ頭がいいだけに性格も悪いw
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