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No.1377
くっついたよくのかわ
くっついた欲の皮
高ヒット
放送回:0874-B  放送日:1993年01月23日(平成05年01月23日)
演出:前田こうせい  文芸:沖島勲  美術:前田こうせい  作画:前田こうせい
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あらすじ

ある所に、貧乏だが仲の良い爺さまと婆さまが住んでいた。

ある日、婆さまが病気で死んでしまい、爺さまは悲しみにくれてお葬式を出そうとした。ところがこの村の和尚は強欲で、金のない者のために葬式を挙げようとはせず、爺さまを無視した。

仕方なく、爺さまは家の土間に穴を掘って、そこに婆さまを埋めようとした。ところが爺さまが穴を掘っていると、なんと馬の餌を煮るための羽釜(はがま)いっぱいに詰まった大判小判が出て来たのだ。小判を持ってきた爺さまを見た和尚は、打って変わって婆さまを亡くした爺さまをいたわり、立派な葬式を挙げてくれた。

しかし、その晩のことだった。欲張り和尚は、爺さまの持っている残りの大判小判を奪おうと、飼っていたヤギを殺しその皮をかぶり、化け物のフリをして爺さまの家に押し入った。

爺さまは、化け物に変装した和尚を見て気を失ってしまい、和尚はまんまと大金を奪った。さて、寺に帰る道すがら、欲張り和尚は大判小判の詰まった羽釜を引きずりながら、辻神様の前を通りかかった。するとどうだろう、辻神様の前に来た途端、ヤギの皮は和尚の身体にくっついて取れなくなり、声も 「メェ~メェ~」としか出なくなり、和尚は本当のヤギになってしまった。

一方その頃、気を失った爺さまの夢枕に亡くなった婆さまが立ち、爺さまに最後の別れを告げ、極楽に旅立っていった。

翌朝、大金を持ったヤギを見つけた村人が、金をじいさんに返した。しかし、そのヤギが欲ばり和尚だと気付く者は、誰もいなかった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション常田富士男
出典宮城県
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※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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Wii  投稿日時 2022/2/9 16:43
類似の「よくばり和尚」の和尚や、同じ前田こうせい作品の荒坂長者、三善和彦氏の「もちの白鳥」の代官など、強欲で人間性が欠如していると言わざるを得ないやつらは多くいるけど、やっぱり爺さんから金を奪った上に飼っているヤギも殺したこの和尚が一番最悪だな。
よくばり和尚の「貧乏人が何処見て歩いてるんだ?柱が痛む」も印象に残ったけど、それでもこの和尚の「誰か◯んでくれんかのぉ」「神や仏など信じられるか、金こそがワシの神様、仏様じゃ」に比べればかわいいもんよ。
匿名希望。  投稿日時 2019/11/6 12:51
この和尚、山羊をいじめたり殺して虐待するなんて。
坊さんの風上にも置けないバチ当たりだね!
最後に、ホントの山羊になってざまー見ろと思った!
Perenna  投稿日時 2019/5/11 23:48
この昔話の元ネタは、大正13年に出版された「世界伝説物語(2)」に収録されている「山羊の皮」という話らしいですね。(コマ番号10/136)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1716289/10

巻頭に書かれているはしがきによれば、この本はロシアの伝説を集めたものらしいです。
江戸時代の僧侶がいくら堕落していても、山羊の乳を飲んだり、殺して皮をかぶったりするというのはあまりにも変だし、なんだかおかしいと思いました。
mikon  投稿日時 2019/4/24 21:59
俺もこんな夫婦になりたいな。貧乏でもいいなんて
小長者  投稿日時 2018/12/14 21:02
和尚のサイコっぷりがヤバい!
アザヴ  投稿日時 2018/12/2 8:34
よくばり和尚との違い
よくばり和尚に出てきた金の釜は自分の意志があるが、この話
に出てきた釜はただの羽釜で意志がない。
よくばり和尚では、和尚は元々持っていた狐の皮を被っていたが、この話の和尚は、飼っていた山羊を殺害して皮を被った。
よくばり和尚は、釜の呪いで狐にされたが、この和尚は辻神様の怒りを買って山羊にされた。
それ以外はほぼ同じですね。


歳の順  投稿日時 2018/4/19 17:14
よくばり和尚によく似た話だな。
豪  投稿日時 2016/5/15 11:07
類似の話のよくばり和尚と比べたらこっちの和尚の方が悪人ぶりは上だな。
それはそうと、山羊の皮被ってる時に顔面真っ赤なのは、
やっぱ殺したての山羊の血をそのまま塗りたくってたりするからなのかねえ…?

見た目的にも結構怖いなコレ。
ゲスト  投稿日時 2016/5/7 9:48
盗んだ大判小判の釜引き摺ってる時に「神や仏など信じられるもんかい」だとか
「金こそがワシの神様、仏様じゃ」とか言いきってるもんな、あの坊主
本当に清々しい位に信仰心が感じられん

まあでも、供養したのがこんな奴でも最後の場面見る辺り婆さんは笑顔で昇天してたし
心底から弔おうとする爺さんみたいな人間が居るから極楽往生は出来てるんじゃないかとは思う
田吾作  投稿日時 2016/5/1 8:03
あそこまで信心の欠片もない聖職者とかいっそ清々しいなあの和尚は。
辻神様だけじゃなくてあちこちの神仏からの怒りも買ってそう。

>一番かわいそうなのは山羊。

言われてみればそうなんだよなあ…。
あの描写だと乳搾りの度に和尚に罵られながら殴られて出が悪いと餌抜きとか日常茶飯事っぽいし、
最後はじっつぁんから金奪う為の変装用の毛皮とる為だけに殺されたし。
この話の中で徹底して救いが無かったなあの山羊は。
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