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No.0387
やさしいよめさん
やさしい嫁さん
高ヒット
放送回:0242-A  放送日:1980年06月21日(昭和55年06月21日)
演出:芝山努  文芸:久貴千賀子  美術:門野真理子  作画:須田裕美子
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あらすじ

昔あるところに、村人みんなが働き者の豊かな村がありました。村には、勘助という一人の若者がいて、昼は野良仕事に精を出し、夜は木彫りの仏像を作っていました。

ある秋の夕暮れ、勘助は、疲れ果てて倒れてしまった旅の女「みよ」に出会いました。勘助が親切に介抱してあげたので、みよは春になる頃にはすっかり体調も良くなりました。

しかし、みよは勘助の家を出ていく様子もなく、仕事もしないで一日中ごろごろと布団の中で過ごしていました。みよは都暮らしだったため、畑仕事などは全くできない女でした。その代わり、野に咲く赤い実の汁を唇に塗り、水を入れた桶に映る自分の顔を確かめながら綺麗にお化粧をしました。

勘助は、仕事をしないみよに「そろそろ出ていってくれ」と言うと、どこにも行くあてのないみよは「どうか自分を嫁にしてくれるように」と必死に訴えました。哀れに思った勘助は、しぶしぶみよを嫁にもらう事にしました。みよは、仕事以外では細かく勘助に尽くしたので、勘助も次第にみよの事が好きになっていきました。

その年の秋、村にネズミの大群が押し寄せ、村の田畑を食い荒らしました。働き者の村人たちは「きっとお洒落な怠け者が村に来たせいだ」と、みよのせいにしました。それを知ったみよは、勘助の彫った仏像に手を合わせ「どうが私が役に立つ事ができるようにしてください」とお祈りしました。

すると、みよは真っ白な猫になり、村中のネズミ達を一匹残らず退治してしまいました。勘助は、突然いなくなったみよを探しましたが、もしかして白猫がみよの身代わりではないかと思うようになりました。そして、みよを懐かしんで、自分が彫った仏像に紅をさすようになりました。

(紅子 2012-5-25 0:48)


ナレーション市原悦子
出典辻田三樹恵(晴文社刊)より
出典詳細風の長者さま,辻田三樹恵,晴文社,1978年12月24日,原題「やさしい嫁さん」
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追加情報
本の情報講談社テレビ名作えほん第040巻(発刊日:1981年3月)
このお話の評価4.7500 4.75 (投票数 12) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/5/25 0:48 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
8件表示 (全8件)
憶測  投稿日時 2021/11/2 17:59
身分がそのまま職業の時代の話かも知れない。もし彼女が身分の高い出で流れてきた等ならば、異性の気を引く方法が着飾る事・畑仕事が当たり前ではない・役に立ちたい気持ちがあるのに悩む等の描写も合点がいく気がする。
もんた  投稿日時 2020/3/2 10:48
田舎暮らしもややこしいとこがありますね。
ネタバレ含みます  投稿日時 2018/1/19 19:12
個人的に好きな話です。
みおが、健気で護ってあげたいです。
昔の日本では、役立たずは必要なかったのですね。
現代では、働かなくても生きていける制度が
ありますが(生活保護)。
それでも村の皆の為に役に立つ気持ちがあったの
だからあまり責めないでほしいです。
頑張れば畑仕事出来そうですが・・・。
まあ、白猫ちゃんになって大活躍したので御の字
ですね。ついでに自由に人と猫に変身する能力なら
素晴らしい嫁さんだと思います!
ゲスト  投稿日時 2017/11/6 2:35
仕事もしない嫁なんて猫以下、猫のほうがネズミ取りの仕事をしてマシだわ
なんて感じでできた話なのかな

この話のミヨさんは、人間として仕事をする努力の能力が無かったから、猫になるほかなかったのよね、勿論彼の役に立ちたいという願い故の結果もあるけど

うちは実家が病院で、医師になった私の兄は可愛い貧乏娘と結婚して継ぐことに。
でも経理も社交も全くのダメで身内から非難されうつ病になり離婚
この話とは逆も知れないけれど、

そりゃあいきなり来て経理なんてできるわけもない…、そのうえこつこつ勉強をして育って来てない人だったから経理の勉強に行かせてもダメ…。うちの母からしたら経理という仕事もできない嫁なんて金目当てのニート評価…。
村もそうだけど、異なる世界の和に入ったときに誰かがそっと手をさしのべてあげたら…。
ゲスト  投稿日時 2016/11/17 20:36
結局、この嫁さんは都会で生活していた時も
外に出ても他の人とも馴染めない引きこもりのニート
だったんだろうか。
かえってよそ様の嫁になるより
尼寺に出したほうが良かったんじゃないかと・・。
でも寺の厳しい生活にも耐えられないかも。
愛善院  投稿日時 2016/8/19 21:58
これは、もしや、茨城県の「猫塚伝承」(十三塚伝承とも)?
少なくとも話型は同程してるので、どこからどう伝播した話なのか気になりますね、地域不明なのが悔やまれる。
ゲスト  投稿日時 2014/10/13 21:32
現代では働かないよりも、村の組合とか町内会とか婦人会とか、田舎ならではのしがらみに参加しないで陰口叩かれるパターンだな
大体、都会出身だろうとなんだろうと居候の分際で一日中布団の中でゴロゴロするとかニートそのまま、都会においても普通にダメな奴だろ
畑仕事できなくても家事なり何なりすりゃいいのに、やることといえば自分を着飾ることだけ。そりゃ村人に疎まれても仕方ない
いくあてがないのも、ニート三昧の娘に腹をたてた両親か親族に追い出されたんじゃないかと勘ぐってしまう
ゲスト  投稿日時 2011/10/2 22:48
働かない美しい嫁は村になじめず、村人から陰口を言われ、挙句に理由なき中傷にあう・・・。
これが、スローライフとして都会の人が憧れる「田舎の暮らし」の現実でもある。
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