あらすじの内容から、十日町市にある牛池の伝説に間違いないと思います。
原作では欲張り婆さんと娘の二人だけです。おそらく親子か祖母と孫なのではないかと。出典元と思われる妻有(つまり)地方(現在の十日町市と津南町)の民話・伝説を集めた「つまりの民話 集大成版」(越路新報社,1969)からざっと要約すると、『小鳥のさえずりにききほれて値段の高いハタにキズをつくってしまい婆さんに責められ悲しんでいた娘に日頃可愛がっていた牛が声をかけ、「気晴らしによいところへつれていってあげましょう」と池の底の竜宮に連れて行く。それきり娘は帰って来なかった。それから村人達はこの池を「牛池」とよんでいる。今でも月の明るい晩になると池の底からトンカラリと娘のハタを織る音がきこえてくるそうだ。』というお話になっています。
私も牛池の場所が全くわからず十日町市のどこにあるのかずっと謎だったのですが、「伝説のふるさと」(新潟日報社編,とき選書,1998)に牛池への概略図と説明が載っていまして、その地図と、〈十日町市笹之沢集落のバス停「笹の沢」から急な坂道を徒歩約10分、1996年に池の周りに休憩所等が整備されている〉とのことから、
牛池の場所は明記されていませんがこちらになります。
http://g.co/maps/mn5hb十日町市は住所が二重表記になっている場所がありまして正確には十日町市八箇丙(十日町市笹之沢)となります。
googleマップだとわかりにくいのですが、Mapionの地図からだと集落から池へ道が続いているのがわかります↓
http://www.mapion.co.jp/m/37.09730833_138.78458889_10/雪がとけたら是非、訪ねてみたいと思います。
魚沼地方はかつて織物の一大産地でした。十日町市は今でも着物の産地として有名です。機が織れなければ嫁には行けないとまで言われ、昔はキズ機を織ったために(一度キズやシミがついてしまうと容易に直せず、売り物にならない=収入にならない)自ら命を絶った人も少なくなかったそうです。
笹之沢のある街道沿いに山を越えて隣の南魚沼市に下ったところにお松の池という池があり、こちらにも機にまつわる悲しい伝説が伝わっています。
お松の池
http://www.niigata-kankou.or.jp/minamiuonuma/kanko/institution/3328.html(新潟県観光協会のページ)