お陽様を射落とそうとした男が朝日を浴びて、吸血鬼でなければ波動砲でも受けたように溶けて消え去る『宇宙戦艦ヤマト』一歩手前のNo.0331「荒坂長者」から、キツネを美少年キャラさながらに映し出したNo.1474「ごんぎつね」まで、画調の幅広さも演出力も確かな前田康成さん(平成二年から“こうせい”名義)は現在、美術を手掛けた門屋達郎さんと桃太郎物語『約束』を製作中だそうです。パンデミックのせいで製作~公開は遅れているようですね。
https://www.youtube.com/watch?v=6KvbHZXKG8c 人に化けたキツネがこの世から居なくなったという話に途轍も無い寂しさを誘う。顔描かれてない女性が二人とも色香が凄かったNo.1263「おいてけ堀」(=リメイク版)、やはり非常にシンプルな線と絵で非常に色気のある狼娘を登場させたNo.1256「狼ばしご」。勿論語り口と間合いの突き詰め方も成功のカギですが、直接的でない描写で描き切れない感情や現象まで呼んで来る。凄い人が居るものです。