この昔話と似たような話で「鶯姫」というものがあります。
昭和7年に出版された「子守笛:実演童話」に収録されています。
昔話を子供向けに読みやすく翻案したものらしいです。(コマ番号196/218)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1720554/196?viewMode=ある川のそばの梅の木の下に、見知らぬきれいな娘さんがたびたび洗濯しにやってくるようになった。
村の人たちはこの娘さんがどこの誰なのかわからず不思議に思う。
ある若者が娘さんのあとをつけていくと、山奥に一軒の民家を見つける。
娘さんの家で鶯餅をごちそうになった若者は、そのままひと晩泊めてもらう。
翌朝、娘さんが洗濯に行く前に「箪笥の抽斗(ひきだし)の中を見ないでくださいね」と忠告される。
男は娘との約束を破って、抽斗を開けてその中の不思議な光景を見てしまう。
洗濯から帰ってきた娘さんは男の様子に気づき、「私との約束を守ってくれていたら、あなたのお嫁さんになってあげてもよかったのにねえ」と言い残し、鶯となって飛び立ってしまう。
そこで、男がしょんぼりとして村に帰ってくると、なんと一年もの歳月が経過していた。
細かいところはちがいますが、話の筋はなんとなく似ています。
こうした昔話は、意外と日本のあちこちに伝承されていたのではないでしょうか?