Re: 七ツ山
投稿者:のめたん 投稿日時 2017/5/4 19:49
日本昔ばなしで語られる史上最強の猟師、九右衛門が主人公です。九州では名高い猟師として仲間内からも尊敬されている九右衛門に対して勝手に対抗意識を剥き出しにして挑む五郎太という腕自慢の猟師が偶然を装って腕試しを挑み二人で二頭のツキノワグマを狩ります。
両者ともに一発で仕留めますが五郎太は心臓に一発で大満足。対する九宇右衛門が仕留めたツキノワグマには銃創が無いのに気付いた五郎太が問いただすと九宇右衛門はなんと、岩を撃った跳弾で尻の穴に命中させたのだった。曰く、造作ない事じゃ。獲物に傷をつけては値打ちが下がる。鉄砲撃ちはそこまで読まんとな。
それを聞いた五郎太は自分が無謀な挑戦をしてしまったことを深く恥じ入ると同時に九宇右衛門に対して畏怖の念を感じ取り体の震えが止まらなくなった。そんな事がさらに九宇右衛門の評判は益々高くなった。
そんなある日の事、獲物を追って三ツ山に深く入って野営している九宇右衛門に山の主、三ツ山太郎が九宇右衛門にある依頼をする。
このお話は男心をくすぐる内容で何回見ても飽きません。優秀な猟犬アカが三ツ山太郎に気付いて唸る前に九宇右衛門に顔を向けて鉄砲を手にするのを確認してから吠え出すというかしこさと主人に対する見事な忠誠心が最後に九宇右衛門の命を救うこととなり九宇右衛門もアカに愛情を込めて名前を呼ぶシーンが感動的です。
常田富士男さんと市原悦子さんによる名演が素晴らしいですね。