Re: ききみみ頭巾
投稿者:日清皿太夫 投稿日時 2021/11/8 22:56
キツネの家にタンスがあるんかーい!なんてツッコミを入れる薄汚れた大人でも、この回は傑作と思えます。時代劇専門チャンネルで初めて観たと思いますが、高画質化の恩恵もあって造りの丁寧さに見惚れてしまった。重厚な背景画はギザギザと厚塗りのゴッホみたいな筆致やコラージュ感がよく分かり、アニメっぽい登場人物が動き回ればクロサワの『夢』みたいに見えて来ますよ。ますます4K化待望~。マジックのハンカチみたいに柔らかそうな頭巾!土蔵がスッテンコロリンというモンティ・パイソン風のデフォルメ感も心地良い。毎度の尺でありながら中身の詰まっていて、物語の起承転結もバランスが良い。頭巾をかぶっては外し効果を確かめる場面は音の編集、セリフの切り替えも不自然さが無い。
カラスの喋り方はうっすら粗暴。高貴・上品にする必然性も感じないけれど(苦笑)。『銀河鉄道の夜』の直後くらいに小林D、芝山D、河内Dが作ったNHKのアニメ『おねがい!サミアどん』には、主人公がカラスの気持ちを知るという『昔ばなし』感に満ちたエピソードがありました。
最近はカラスも魚も一般的な認識よりずっと高い思考力を持っている事が分かっていて、ネコ、イヌ、鳥の鳴き声から気持ちを一部掴めるようになりました。樹木を診察するお医者さんも居るし、研究者には「ききみみ頭巾」や『ニルスのふしぎな旅』の世界も入口が見えて来たのでは。