この昔話の原話らしいものを見つけました。
明治44年に出版された「日本全国国民童話」に収録された「獅子頭(ししがしら)」という話です。(コマ番号193/224)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168188/193「今は昔、吾が対馬の国の狐が、むかう岸の支那に渡り、あちらのきつい獣どもに逢って、遊んで居りました。」という書き出しで始まっています。
似たような話は、「ふるさとの民話9・静岡県の民話」にも「キツネとトラとシシ」という題で収録されています。
このむかし話でもオオカミは最初のほうで登場しますが、朝鮮のトラや天竺のシシと直接対決して勝利をおさめるのは、かしこくてずるがしこいキツネです(笑)
もともとの昔話は、キツネが外国の獣と対決して、獅子頭がどこから伝わってきたのかという、その由来が語られる動物競争譚だったらしいですね。
話の前置きとして、どのようにオオカミが付け加わったのか?
類話の分布とストーリーの改変について、もっと詳しく研究してみたいと思っています。