Re: 猫塚
投稿者:Perenna 投稿日時 2021/8/20 23:14
御前崎の猫塚については、「日本の伝説30・静岡の伝説」(角川書店)にも紹介されています。
「昔、このあたりに遍照院という寺があった。そこの住職が浜辺で子猫を拾ってきて育てた。
その数年後、ひとりの旅僧が遍照院を訪れた。色あくまでも黒く異相をした僧だったが、住職は心よく挂錫(かしゃく)をゆるした。その夜ふけに本堂のあたりではげしい物音が起こった。その騒ぎは暁方までつづいて納まった。明るくなってから本堂をうかがうと、寺の猫と、犬ほどもある大鼠が血まみれになって死んでいた。
姿を消した旅僧は、住職に危害を加えようとした大鼠の化身で、猫が身を挺して主(あるじ)の危難を救ったのであろうといわれた。忠義な猫の供養のためにつくったのが猫塚である。大鼠のほうも、劫(ごう)を経ている妖怪でその祟りも恐ろしいので、猫塚の近くに鼠塚をつくって葬ったという。」
以上、ご参考までにお知らせいたします。