ある男の家に旅の坊主が泊ったのだが急死してしまう。遺言で「桜の樹の下に埋め、春に掘りだせ」といわれたのでそのとおりにすると見事な達磨の掛け軸(渡海達磨図)が出てきた。
時がたち、男は傷んだ掛け軸を店に修理に出した。だが引き取りにいくと、どうしたわけか同じ掛け軸が同時に六枚も修理に出されてて、店主も男もどれが本物かわからなくなった。
困ってそのまま帰ると、男の夢にあの坊主があらわれ「達磨の目を笹の葉でこすれ」と言った。そこで全ての掛け軸の達磨の目をくすぐると、一枚だけ達磨がまばたきをしたので本物と判明した。
あの死んだ坊さんは達磨大師様だったのだろう。この掛け軸の達磨をずっと見ていると、パチパチとまばたきするそうだ。
(投稿者: jerald 投稿日時 2011-11-24 23:46 )
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 出羽の伝説(角川書店刊)より |
出典詳細 | 出羽の伝説(日本の伝説04),須藤克三,角川書店,1976年3年10日,原題「まばたき達磨」 |
場所について | 山形県中山町の達磨寺 |
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