このお話に投票する
  • 各お話への投票は一度だけにお願いします。
  • 評価は 1 から 10 までです。(1が最低、10が最高)
  • 客観的な評価をお願いします。点数が1か10のみだと順位付けの意味がありません。
  • サイト管理人は各お話に投票できません。
  

No.0491
きつねのあたん
きつねのあたん

放送回:0308-B  放送日:1981年09月26日(昭和56年09月26日)
演出:前田康成  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:前田康成
広島県 ) 16164hit
あらすじ

昔、広島の山奥に川戸村というところがあった。そこに、留吉(とめきち)とみよという夫婦とその赤ん坊が住んでいた。

ある年、この村では日照りが続き、山の草木は枯れ、動物たちは食べるものに困っていた。有難いことに、留吉たちの田んぼだけは、なんとか作物が実ったが、それでも小さい田んぼからとれる量はしれたものだった。

やがて取り入れの時期になった。みよは、留吉のためにキビ餅を作り始めた。すると突然、赤ん坊が泣きだしたので、みよが振り向くと、恐ろしい顔をした狐が、襖の陰からのぞいていた。そうして狐は、キビ餅の方へ近づいてきた。みよはキビ餅を取られてはなるまいと、囲炉裏で燃えている木を狐に投げつけてしまった。それは見事に命中し、狐はうめきながら逃げて行った。

夕方になって、山仕事を終えた留吉が帰ってみると、家の中に赤ん坊がいないことに気付いた。みよは、残りの仕事を片付けていたため気がつかなかったのだ。そうしてみよは、昼間の狐のことを留吉に話すと、二人で赤ん坊を探し始めた。この地方では、狐が人に恨みを抱くと、必ずかたき討ちをしにくると信じられており、それを「きつねのあたん」と呼んで、たいそう恐れていたのだ。

山に慣れている留吉は、狐がよく現れる場所へ行った。みよも、村人に頼んで大勢で留吉の後を追って探した。が、どんなに探しても赤ん坊は見つからない。そうして夜になった頃だった。二つの大きな岩の間から、赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。留吉たちが入ってみると、そこには赤ん坊が元気にないていた。留吉とみよは嬉し涙にくれた。「なあみよ、狐も子供たちにキビ餅を食べさせたかったのじゃろう。」

留吉のいうことにみよもうなずいた。次の日、二人はそっとあの大岩の間にキビ餅を置いたのだった。

(投稿者: 十畳  投稿日時 2011-8-11 17:03 )


ナレーション常田富士男
出典広島県
場所について広島県山県郡北広島町川戸(地図は適当)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
本の情報国際情報社BOX絵本パート2-第113巻(発刊日:1980年かも)
講談社の300より書籍によると「広島県のお話」
7.8333 7.83 (投票数 6) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/8/11 19:08 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

37 人のユーザが現在オンラインです。 (29 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)