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No.0396
くさばのかげから
草ばのかげから

放送回:0248-A  放送日:1980年08月02日(昭和55年08月02日)
演出:山田みちしろ  文芸:沖島勲  美術:吉田陽子  作画:山田みちしろ
大分県 ) 18719hit
あらすじ

昔、ひとりの男が妻子と暮らしていた。この男はぐうたらで、妻が傘張りの仕事しているのを全く手伝わず「傘張りの仕事など馬鹿らしい」と言って、家を出ていった。

男はぶらぶら歩き、木陰で一休みするうち眠ってしまった。そこへひとりの男がやって来て、買ったばかりの剃刀(かみそり)の切れ味が試したくて、男の髪の毛やヒゲを全部そり落とした。

夕方になって男が目を覚ますと、自分の頭に髪の毛がないことに気付いた。人は死ぬと丸坊主にする習慣があったので、男は「眠っている間に自分は死んだのだ」と早合点した。男は、西の方角に極楽浄土があると思い出し、西の方へひたすら歩き続けた。

何日か経って、光輝いて見える寺に着き、ここが極楽浄土と思って門をくぐった。男は「死んだ仏さんは蓮の葉に座ることが出来る」と信じ、寺の大きな蓮池の蓮の葉に座ろうとした。しかし、何度やってもぶくぶく沈むだけで、そのうち寺の小僧に怒鳴られ寺から追い出されてしまった。

さらに男は西へ向かったが、ある町に差し掛かると七夕の笹飾りが目についた。男は「お盆になると、故人の魂が家族の許へ帰る」ことを思い出し、元来た道を引き返して家へ向かった。

家に着いた男は、座敷の仏壇の中に入りそのまま眠ってしまった。やがて、妻が仏壇におはぎを持ってくると、男は目を覚まし妻と目があった。妻は、仏壇の中の男が自分の夫とは気づかず、見知らぬ男が座っていと思って逃げてしまった。

男は「死んでも妻に嫌われているのか」とがっかりし、とぼとぼと雑草が生い茂る庭へ出ていった。妻は「夫が亡くなり、女子供だけだと思って大入道までもが私たちを馬鹿にしている。父さんも草ばのかげから悲しんでいるだろう」と嘆いた。

妻と娘が、共に仏壇の前で手を合わせるている様子を、生い茂る雑草の中から見ていた男は泣きながら「聞いているよ、草ばのかげから」と言った。

(投稿者: Kotono Rena 投稿日時 2013-9-14 00:25)


ナレーション市原悦子
出典土屋北彦(未来社刊)より
出典詳細大分の民話 第一集(日本の民話49),土屋北彦,未来社,1972年08月15日,原題「草ばのかげから」,採録地「杵築市」,話者「土屋うめ」
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※掲載情報は 2013/9/14 23:56 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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