昔、ある山で桜が満開になった。
そこへトンビとスズメとハトとカラスがやってきて、みんなで花見をすることになった。トンビは魚を取り、スズメは町へ酒を買いに、ハトは料理をし、カラスは風呂敷や椀を借りに行くこととなった。
トンビ・スズメ・ハトがそれぞれの仕事を終えてくたくたになっている頃、ようやくカラスが戻ってきた。
カラスは花見の酒盛りの前に、余興で楽しもうと提案した。まずはトンビが笛を吹いた。それにあわせてスズメが三味線を弾いた。ハトはトンビ・スズメの演奏に合わせて、豆絞りの手拭いをほおっかむりして踊りだした。
ふと気が付くとカラスの姿はなく、料理も酒もすべてなくなっていた。カラスが全部一人で食べてしまったのである。トンビ・スズメ・ハトは悔しがったがもう遅かった。
トンビがカラスを見るといじめるようになったのは、この時からだということである。
(投稿者: カケス 投稿日時 2013-9-15 14:48 )
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 水澤謙一(未来社刊)より |
出典詳細 | 越後の民話 第一集(日本の民話03),水澤謙一,未来社,1957年10月10日,原題「鳶と雀と鳩と烏」,採録地「東頚城郡松之山村湯元」,話者「柳長松」 |
場所について | 新潟県十日町市松之山湯本(地図は適当) |
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