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No.0235
ぶんぶんしゃくにさせ
ぶんぶん酌にさせ

放送回:0147-A  放送日:1978年08月19日(昭和53年08月19日)
演出:青木久利  文芸:沖島勲  美術:木場正彦  作画:青木久利
要調査 / 徳島県 ) 15311hit
あらすじ

阿波の民話 第二集(未来社,1968年08月05日)に、同タイトル名のお話があり「このお話かもしれない」ということであらすじを書いてみます。

昔、親のない怠け者が、毎日ぶらぶらと生活していました。ある日のこと、針が倒れた方向に行ってみようと、地面に針を刺してお金を投げますと、針は西の方角に倒れました。そこで、もう一度、「天の神様、出世できる方角をお願いします」と言って、お金を投げるとまた西の方角に針が倒れた。これは西で間違いないと、怠け者は西へ西へと歩いて行きました。

道中、子供が亀をいじめているのに出くわしました。あまりにも亀がかわいそうだったので、子供に銭をやって亀を逃がしてあげました。また先に進んでいくと、今度は子供が獅子蜂を捕まえていじめていました。これにも銭をやって鉢を逃がしてあげました。またしばらく行くと、道の人だかりができており、何だろうと見てみますと、子供が申をいじめていました。そこで人ごみをかき分け、道の真ん中に出ると、子供に猿を分けてくれと言いました。子供は金をくれたら分けてやると言うので、怠け者は残りの銭をあげて、猿を逃げしてやりました。

怠け者は、亀・蜂・猿を助けましたが、お金が無くなってしまいました。しょんぼりと歩いていると、途中で一人の老婆に出会いました。「お前はどこの者じゃ」「わしは雲の上の者じゃ」と、怠け者は嘘を言いました。「この村の先にもう一つ村がある。そこの長者の娘が病気で困っておる。その病気を治すには、川の中の楠に住む鶯の卵を15個食わせると良いそうじゃ。もし治れば娘の婿になれる」と、お婆さんは言いました。

怠け者が、その先の村に行くと、確かに川があり楠も生えていました。木の上には鶯が巣をかけているようでした。しかし、川は流れが速く、とても渡っていけるものではありませんでした。どうしたものかと困っていると、助けた猿が出てきて「命の親どの、何を見ておる」と聞いてきました。怠け者が「あの楠の木の上の鶯の卵を15個取りたいのじゃが、取ることはできないじゃろうか」と尋ねると、猿は易しいことだと言って亀を呼びました。そして、亀が出てくると、「命の親どの、何のお困りか」と聞いてくるので、猿は「あの木の鶯の卵が欲しいそうじゃ。わしをあの下まで乗せてくれ」と言いました。亀は「よしきた」と猿を背中に乗せ、川を渡りました。そして、猿が鶯の卵を取ってくると、怠け者は喜んで、猿と亀にお礼を言い、長者の家へと向かいました。

長者は怠け者の姿を見て「何の用か」と聞くと、怠け者は「娘の病気を治すために、鶯の卵を取ってきた」と言いました。長者はたいそう喜んで、怠け者を座敷へとあげ、御馳走でもてなしてくれました。そして、娘に取ってきた卵を食わせると、見る見るよくなり、病気が一変に治りました。

しかし、長者はこんな汚い身なりのどこの誰かも分からんやつに娘をやるのがおしくなりました。そこで、娘と一緒にきれいな女中12人を祝いの席に出し、長者はこう言いました。「この女の中で、お前が酌にさした者を嫁にくれてやろう」怠け者がどの女の盃に酌しようかと考えていると、助けた蜂が飛んできて、一人の女の前で、「ぶんぶん酌にさせ、ぶんぶん酌にさせ」
と言いました。よしっと怠け者がその女の盃に酌しますと、それは長者の娘でした。そして、怠け者は長者の娘の婿となり、安楽に暮らしましたとさ。

(投稿者: araya 投稿日時 2011-12-2 17:57)


ナレーション未見のため不明
出典クレジット不明
出典詳細阿波の民話 第二集(武田明,未来社)かもしれない、徳島県三好郡とあり。もしくは、父母が語る日本の民話(上巻)かも。
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※掲載情報は 2011/12/3 0:23 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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