炭焼きの五平のカミさんが病気で寝込んでしまったので、精のつくものを食べさせたいと思った五平は炭を抱えて町へ商いに出かけました。
しかし炭はちっとも売れず、五平がしょんぼりしていると、橋の下で焚火をしている坊さんが声をかけてきて炭をどんどん火にくべろというので、買ってもらえると思った五平はありったけの炭をくべました。しかし坊さんは一文無しというではありませんか。
五平は怒りましたが火のついた炭を取り返すわけにもいかずガックリしていると、坊さんはお礼にと、そばにあった木切れを拾って小刀であっという間にニワトリを彫ってよこしました。
トボトボと家に帰る途中、腹が立ちが収まらない五平がもらったニワトリを投げ捨てると、不思議な事に木彫は動きだして本物になりました。
五平が持って帰ってきたニワトリはたまごを産んだので、それを食べて滋養のついたカミさんはすぐに元気になりました。ニワトリはそれからも毎日ふたつづつ卵を産んでくれたそうです。
(投稿者: ひかる 投稿日時 2012-1-30 14:02 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 岐阜のむかし話(日本標準刊)より |
出典詳細 | 岐阜のむかし話(各県のむかし話),岐阜児童文学研究会,日本標準,1978年09月30日,原題「木ぼりのニワトリ」 |
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