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No.1308
かたはねせんり
片羽千里

放送回:0826-A  放送日:1991年12月21日(平成03年12月21日)
演出:こはなわためお  文芸:沖島勲  美術:安藤ひろみ  作画:古宇田文男
新潟県 ) 15913hit
あらすじ

むかしむかし、佐渡の岬に一羽の鷹が棲んでおりました。他の鳥達は口々に鷹の姿形や大きさを褒めそやし、「片羽千里」の翼と呼んでおりました。これだけ褒められて、鷹はすっかり天狗になっておりました。

ある時、鷹は力試しをしようと、海を渡って越後に武者修行に出かけました。鷹は越後を目指して飛び続け、だんだん疲れてきましたが、海の上に羽を休める所などあるはずがありません。ところが、海の中にぽかりと枯れ枝のようなものが浮いているのが見えました。

鷹は喜んで枯れ枝にとまりました。すると突然、「わしの頬毛の先にとまるのは何者じゃ!」と、海の中から大声が聞こえました。鷹が「ワシは佐渡で一番の片羽千里の大鷹じゃ!」と威張ると、声の主は「ワシはこの海の底に住む海老じゃ!ワシの頬毛にとまる位の大きさで、なにが片羽千里の大鷹じゃ!」と大声で笑いました。鷹はあまりに大きな海老におびえて、慌てて佐渡へ逃げ帰ってしまいました。

ところで、この大きな海老も他の海の生き物に姿形や大きさを褒められて、すっかり天狗になっておりました。そうして、この海老もある時、越中越後の海岸を諸国漫遊して力試しをしようと旅に出かけていきました。

海老は海の中をふんぞり返って旅を続けました。そうして、ようやく越後の弥彦山が間近に見える所まで辿り着き、海老は疲れた体を休めるところを探し始めました。すると、岩陰に手ごろな洞穴が二つありました。

海老は喜んで、そのうちの一つの洞穴に入り込みました。すると突然「はっくしょん!」という大きなくしゃみと共に、海老は洞穴から跳ね飛ばされ、岩に嫌というほど腰を打ちつけてしまいました。

なんとその洞穴は、大きな大きなアンコウの鼻の穴だったのです。「世の中には、上には上がおるもんじゃあ。」と海老は後悔しましたが、岩にぶつかって曲がった腰は二度と元には戻らず、それ以来、海老の腰は曲がったまんまだということです。

(投稿者:ニャコディ 投稿日時 2014/7/21 19:26) 


ナレーション常田富士男
出典浜口一夫(未来社刊)より
出典詳細佐渡の民話 第一集(日本の民話18),浜口一夫,未来社,1959年04月30日,原題「片羽千里」,採録地「相川町千本」,話者「池田スギ」
場所について相川町千本(現在の佐渡市高千千本、地図は適当)
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※掲載情報は 2014/7/22 4:21 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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