徳島県 (23 件)
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名刀木千把丸

昔ある村の大きな屋敷に、下男としてつかわれている佐久(さく)やんという男がいた。この佐久やん、どういうわけか大の刀好き。屋敷の旦那さんが縁側で刀の手入れを始めると、決ま...

息子の供養

昔ある所に、怠け者で大酒飲みの男がいた。男には息子が一人いたが、病気でその子を亡くしていた。しかし、父親は息子が亡くなっても、相変わらず怠け者で酒ばかり飲み、息子に供え...

豆ン蜂長者

ワレゴウシとワレワンという、二人の修行僧が旅をしていた。途中、でかい木の下で一休みしていたら、ワレワンのほうが居眠りをし始めた。すると一匹の豆ン蜂が、ワレワンの耳のあた...


松尾のせどさく

昔四国の松尾あたりにせどさくという腕のいい猟師がいた。ある日いつものように犬のシロと猟に出掛け、沢でひと休みしていると、沢の向こうに大きな猪がいた。立派な猪だったのでせ...

ぶんぶん酌にさせ

阿波の民話 第二集(未来社,1968年08月05日)に、同タイトル名のお話があり「このお話かもしれない」ということであらすじを書いてみます。昔、親のない怠け者が、毎日ぶらぶらと生活...

鉢かつぎ姫

河内国交野に美しいお姫様がいた。姫の母君は長い間病床にあり、自分が死んだあとの姫の行く末を案じ、観音様にお参りしたところ、姫の頭に鉢をかぶせよというお告げがあった。母君...


箸蔵山の赤い火

昔、徳島の箸蔵山は、薄い霧がかかり風もないのに木が騒ぐので、神様がいる山として信じられていた。だから箸蔵村の里人たちは、この山には近づかなかった。ところが、貧乏な百姓の...

とろかし草

昔ある所に清兵衛(せいべえ)というきこりがおった。清兵衛が木を切っていたら、旅人がうわばみに襲われているところを見つけた。 どうすることもできないので、木に登って様子を見...

たのきゅう

むかしむかし、『たのきゅう』という旅芝居の役者がおりました。ところがある時、母親が病気になったので、たのきゅうは急いで故郷に帰ることになりました。途中、山の麓の茶屋で「...


狸とゆうれい

むかし、徳島県の脇町猪尻(いのしり)の墓場では、狸達が悪さをしとったそうな。それで村人達は狸を退治しようと話し合ったが、なかなか名乗りをあげる者はおらんかった。とうとう...

仙人のおしえ

昔々、ある所に目の見えないおっかさんを持つ吾一(ごいち)という孝行息子がいた。吾一は毎日、おっかさんの目が治るように神様にお祈りしていた。ある晩、そんな吾一の夢枕に神様...

世間知らずの伊勢参り

昔々、阿波の国の山奥に住む百姓の親子が、三人そろってお伊勢参りに出かけました。親子が泊まった最初の宿では、名物として当時は珍しかった「饅頭」が出されました。親子は饅頭の...


女郎ぐもの話

むかし、ある村の庄屋様の家で息子の婚礼が決まった。そんなある日、目の見えない旅の女が一人、庄屋様の家を訪れた。そうして、その日から庄屋様の息子は日一日と顔色が悪くなり、...

正月の神さん

昔、ある村にじい様とばあ様が住んでいました。大晦日の雨が降る夜、二人の家の戸口を叩く旅人たちがいました。旅人たちは全員で七人。雨宿りをさせてくれ、とドカドカ上がり込んだ...

この世で一番えらい者

石工がこの世で一番偉い物になりたくて神様にお願いするのだが、この世で一番偉いのは太陽だろうと思って太陽にしてもらうと雲に隠されてしまい、雲のほうが偉いと思う。今度は神様...


粉ひき臼の神

昔、徳島の井川に貧乏な男が住んでおった。男の名前は福造と言って、毎日石臼で粉を挽き、わずかばかりの手間賃を貰って暮らしておった。ある年の大晦日のこと、貧しい福造は神様へ...

鴻の卵

ある夏の日差しがジリジリと照りつける日、善良な男が旅をしていました。村はずれの広い野原で、カエルを狙っている蛇に気が付きました。憑りつかれたように凝視する男の目の前で、...

川田の鯰神

昔、徳島県は麻植郡(おえぐん)川田(かわた)の季邦(すえくに)という所に貧しいが働き者の夫婦がおり、二人は毎日食べるのにやっとの稼ぎだが別に不満もなく仲良く暮らしていた。ある日...


雷と月と日

むかしむかし、ある夏のことじゃった。いつもは顔を合わせることもない『お日さん』と『お月さん』と『雷さん』が、お伊勢参りの旅をすることになったそうな。道中の雷さんは鬼のパ...

かざみの名人

阿波の民話 第一集(未来社,1958年06月15日)に、同タイトル名のお話があり「このお話かもしれない」ということであらすじを書いてみます。昔、料理の上手なカカとケチな亭主がいて、...

うずになったたいこ

昔ある海で、時折ドーンドーンという大きな音が聞こえてくる所があり、その音が鳴ると大波が起こるので、そこの漁村はその音が聞こえると船を引き上げなければならなかった。村人は...


阿波の水

むかしむかし、徳島県中津山の池の水は『阿波の水』と呼ばれ、讃岐の村人は日照りの時にはこの水を樽に詰めて持ち帰り、雨乞いをしておったそうな。ただ、阿波の水を運ぶ途中、絶対...

あほうむすこの魚屋さん

むかしむかしある町の長屋に、それはもう阿呆な息子が住んでおった。毎日仕事もせずぶらぶらしておったが、年頃になって嫁さんを貰ろうた。それでも相変わらずぶらぶらしておったそ...

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