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村のネズミと町のネズミ(むらのねずみとまちのねずみ)

放送回No.0994(0627-A)
放送日1987年12月05日(昭和62年12月05日)
出典水澤謙一「長岡・東山の昔話集」より
クレジット演出:上口照人 文芸:沖島勲 美術:西村邦子 作画:斉藤起己
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔々、ある村里へと続く道を、ちゅう次郎という名の仲人好きの一匹のねずみが歩いていました。ちゅう次郎は、ある百姓屋に住むねずみの家をたずねるところだったのです。ねずみの家は、納屋の脇の地面に空いた穴の中でした。

ちゅう次郎にとって99番目の仲人役となるお見合い話を、その家の娘の花子に持ってきたのです。相手は町の造り酒屋の蔵下に住む六郎という若者でした。花子の父親もその話を気に入りました。

蔵下の一家の住み家は、家具なども立派でなかなかの暮らしぶりでした。ちゅう次郎はいなかの一家の話をさっそく伝え、町のねずみの一家もその話を気に入り、99番目の縁組がうまくいきそうだと喜びました。

翌日、さっそく町のねずみは花子の家へ向かいました。仲人役のちゅう次郎を間に、型通りのあいさつを無事に終えいなかの一家が準備した料理が出されました。皿の上に菜っ葉や大根や人参や芋が丸ごと盛られていました。日ごろ町で食べているものと違って、初めて口にするいなかの料理は思わず顔をしかめる代物でした。でも、いなかのねずみたちにとっては、今日の料理は大変なごちそうだったのです。

何日かたったある日、いなかのねずみはちゅう次郎とともに町に出かけました。夜の町中で怖い思いをしながらも、酒蔵の下に空いた穴に潜り込み、さらに狭く風通しの悪い道を進み、なんとか六郎の家に着きました。

六郎の一家が用意した料理は、さすが酒蔵の下にある家だけあって見事でした。宴会の途中、急に突然部屋が激しく揺れだし明りは消え天井が崩れそうになりました。町のねずみはいつものことだと落ち着いていましたが、驚いた花子の一家は、せっかくのごちそうも味わう暇もなくいなかへ帰っていきました。

そして次の日、花子の父親はあんな物騒なところへ嫁にだせるかと激怒し、ちゅう次郎の99番目の仲人は失敗に終わりました。

そしてそののちも、町のねずみは相変わらずざわついた町の蔵の下で住み続け、いなかのねずみは静かな百姓屋の下の穴倉で暮らし続けたそうです。昔から住めばみやこって言うもんな~。

(投稿者: ねずみ  投稿日時 2013-1-10 17:47)


地図:長岡市川口木沢(地図は適当)

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