放送回 | No.0099(0061-A) |
放送日 | 1976年12月04日(昭和51年12月04日) |
出典 | (表記なし) |
クレジット | 演出:水沢わたる 文芸:沖島勲 美術:山守啓陽 作画:スタジオアロー |
ナレーション | 市原悦子 |
昔、和尚さんと一人の小僧さんが住んでるお寺がありました。このお寺の和尚さんは大変な酒好きで、法要の席等に行くと必ず顔を真っ赤にして酔っ払って帰ってくるのでした。そんな和尚さんを、その辺りに住む「イタズラ狐」が虎に化けたりして、色々とおどかしては、お土産を奪っていったりしていました。和尚さんは悔しがりましたが、小僧さんは大笑い。
でも小僧さんは和尚さんが可哀相に思い、ある夜、和尚さんが出掛けてもいないのに和尚さんを迎えに行くふりをし、狐退治に行く事にしました。小僧さんの背中には大きなカゴがありました。小僧さんが「和尚さーん」と辺りに呼びかけると、今夜は小僧さんを化かしてやろうと、狐は和尚さんに化けて出てきました。小僧さんは狐が化けた和尚さんを見つけると、、また狐に化かされては大変だからカゴに入って帰りましょうと言い、狐和尚をカゴに入れ、上から松カサを山の様に入れて狐和尚を隠しました。
中の狐和尚は松カサがチクチク刺さり痛くてたまりません。とうとう狐の姿に戻りましたが、小僧さんは大急ぎでお寺に戻ると、本堂を全部閉め切りカゴから狐を出して本物の和尚さんと一緒に狐を生け捕りにしようとしましたが、なかなか捕まりません。その内、狐が姿を消すと、何と本堂のご本尊様が二体になっておられました。ご本尊様は一体。どちらかが狐が化けた本尊様なのですが、どちらか分かりません。本物の本尊様を箒で叩いたりしたら大変です。
小僧さんはしばらく考え和尚さんにこう言いました。「ねぇ、和尚さん。本物の本尊様はお経をあげると首をゆらしますよねーぇ?」。和尚さんは「うん、そうじゃったな」と言い、二人でお経を唱え始めました。やがて偽者の本尊様が首を左右にゆらし始めました。小僧さんが「それ!こっちが狐だ!」と言い、あっという間に狐を捕まえて縄でぐるぐる巻きにしてしまいました。狐は泣いて謝り、もう悪さはいたしませんと言い、何とか許してもらい、帰してもらいました。
それからは、狐は飲んで酔っ払った和尚さんを、女子(おなご)に化けて、ちゃ~んとお寺まで送ってくれる様になり、和尚さんは大好きなお酒を安心してたらふく飲める様になったとさ。
(投稿者:poizon19 投稿日時:2011-12-7 8:49 )