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ねずみ経(ねずみきょう)

放送回No.0096(0059-A)
放送日1976年11月20日(昭和51年11月20日)
出典(表記なし)
クレジット演出:高橋良輔 文芸:沖島勲 美術:本田幸雄 作画:岩崎治彦
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、ある小さな田舎の村に一人のお婆さんが住んでいた。このお婆さん、つい最近お爺さんを亡くしたばかりで、もう寂しくて寂しくて、一日中、仏様ばかり拝んでいた。

そんなある日、このお婆さんの家に一人の旅の坊さんがやってきて、一晩泊めてほしいと頼んできた。お婆さんは、お坊さんならお爺さんに有難いお経をあげてくれると思い、たいそうなもてなしをした。坊さんにご馳走を食べさせ終わると、さっそくお経をあげてほしいとお願いをした。それを聞いた坊さんは困ってしまった。実はこの坊さん、いい加減な坊さんでお経なんかろくに知らなかった。

しかしそうとも言えないので、仕方なく仏壇の前に座った。すると、ねずみが一匹、ちょろちょろと顔を出しているのが見えた。お婆さんはお経が始まるのを待っている。坊さんは覚悟を決め、声を出し始めた。「おんちょろちょろ、でてこられそうろう」するとお婆さんは、有難そうに手をすり始めた。調子に乗った坊さんは、ねずみの様子をそのままお経のように唱え続けた。
「おんちょろちょろ、あなのぞきそうろう。おんちょろちょろ、なにやらささやきもうされそうろう。おんちょろちょろ、でていかれそうろう・・・。」こうして坊さんは一晩中このお経をあげ続け、翌朝、逃げるようにして帰って行った。

それからというもの、お婆さんは毎日このお経をあげ続けた。ある晩のこと、このお婆さんの家に泥棒が忍びこんだ。泥棒が家の中をうろうろしていると、お婆さんの声がした。「おんちょろちょろ、でてこられそうろう」驚いた泥棒は、障子の穴からのぞいてみると、「おんちょろちょろ、あなのぞきそうろう」「なんじゃ、おらのいること知ってるでねえか」「おんちょろちょろ、なにやらささやきもうされそうろう」何から何までお見通し、これはきっと山姥かなにかの家だと、泥棒が震えあがって逃げようとすると、「おんちょろちょろ、でていかれそうろう」泥棒は肝をつぶして逃げて行った。

それからもこのお婆さんは、いつも、このお経を唱え続けたそうだ。「おんちょろちょろ、でてこられそうろう・・・」

(投稿者: 十畳 投稿日時 2011-8-4 7:08 )


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