放送回 | No.0942(0593-A) |
放送日 | 1987年04月04日(昭和62年04月04日) |
出典 | 荒木精之(未来社刊)より |
クレジット | 演出:上口照人 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:上口照人 |
ナレーション | 常田富士男 |
ある日男が鉄砲をかついで歩いていると、大きなカラスに出会った。
カラスは男が持っている鉄砲に興味を示し、是非撃って見せろと言う。男は撃った。カラスは木の枝から真っ逆さまに落ち、下の草むらに落ちた。男が近寄ってみると、あるはずの死体がなかった。
その夜、男が家で鉄砲の手入れをしていると、死んだはずのカラスが羽で胸を押さえながらやってきた。カラスは「お前がさっき撃った鉄砲痛かったぞ。胸に大きな穴があいてしまってな」と言って、カラスは押さえていた羽を離すと、そこには赤黒くぽっかりと大きな穴が開いていた。
カラスは「今度は俺が撃つ番だ」と、男に詰め寄った。これはまずいと思った男は、こっそり弾を隠し、からの鉄砲をカラスに渡した。 カラスはしばらく鉄砲を眺めていたが、やがて男に向かって引き金を引いたので、男は仰向けに倒れて死んだふりをした。
男が死んだと思い、カラスが男にあるはずの穴を探し始めた。「穴はどこだ?穴は?」男をひっくり返し、服をめくり、弾痕をさがす。やがて、カラスはふんどしの中を覗き込み、穴を見つけて声をあげた。尻をまさぐられ、くすぐったさに我慢しきれなかった男は、ぶおぉぉおおんん!と、大音量の屁を放った。
屁の勢いに飛ばされたカラスは、屋根を付き抜け空に飛ばされてしまった。
次の朝、男が昨日カラスに出会った木の下まで来ると、あの大カラスが死体となって転がっていた。心臓を打ち抜かれても死ななかったカラスだが、男の放った一発の屁で死んだ。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
地図:大津街道の黒川近くか(地図は適当) |