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白山さまの淵(はくさんさまのふち)

放送回No.0938(0590-B)
放送日1987年03月14日(昭和62年03月14日)
出典岩手県
クレジット演出:若林忠生 文芸:沖島勲 美術:門屋達郎 作画:若林忠生
ナレーション常田富士男

あらすじ

北上川の上流の崖っぷちに白山比咩(しらやまひめ)を奉る白山神社があった。神社の下にはたいそう深い淵があり、北上川を渡る舟は決して白山様の淵を通ってはいけないことになっていた。もしそこを舟で通ったり魚を捕ったりすると、白山様の遣いの大亀が人を引きずり込むと言われていた。

その川の渡し場に「さへい」という船頭見習いがいた。さへいは先輩船頭に明日から船頭にしてやると言われ喜び、夕方改めて川を見にきた。しかしどう考えても白山様の下を通った方が早いと思い、本当に大亀がいるか確かめてやろうと川に潜った。

川に潜ってみると変わったこともなく、大きな岩がひとつ川底にあるだけだった。さへいは迷信なんて嘘じゃないかと笑っていると、突然川底の大岩が動きだし、さへいを追ってきた。それは噂の大亀だった。さへいは必死で泳いで逃げたが大亀に足を捕まれ、川底の洞窟に放り込まれてしまった。

さへいが目を覚ますとそこは暗い岩穴の中で、大亀に連れ込まれて死んだと思われる者の亡霊がうようよしていた。さへいはこんな所で死ぬなら大亀にひと思いにぱくりとやられた方がせいせいすると言って水に潜り、どこまでも泳いでいくとようやく出口が見えた。

やっとさへいは川の上へ顔を出してみると、川の水が大きく盛り上がり、大亀が現れた。そしてその甲羅の上に白山神社の祭神、白山比咩が乗っていた。白山比咩は「ここはわらわの憩う所、何人たりとも入ってはならぬ所じゃ」とさへいに言った。さへいはもう二度とここへは来ないと誓うと白山比咩は「本当に誓えるか?」と聞き、さへいが「はい」と答えると「お前が本当に誓えるなら許してやる。努々忘れるでないぞ」と言って川底へ消えていった。

次の日、さへいは渡し場へやって来ると先輩先導が「3、4日見えなかったがどこで何をしておった?」と聞いてきた。さへいはあの洞窟に3、4日も倒れていたのだ。 そしてこの淵はその後どんな日照りでも水は枯れず、川の底を見せることは無かった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


参考URL(1):http://www.kitakami-kanko.jp/kanko.php?itemid=2371
地図:北上市黒岩7地割の白山神社か?

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